消費増税で4〜6月期の落ち込み避けられず、成長戦略が重要=全銀協会長

1日付で全国銀行協会の会長に就任した
三菱東京UFJ銀行の平野信行頭取は、
同日午後の初めての会見で、消費増税の影響で
4〜6月期の実質国内総生産GDP)成長率の
落ち込みは避けられないとの考えを示した。

成長軌道に戻すためには、6月に改定される
政府の成長戦略の内容が重要だとし、
法人税減税や規制改革などに取り組む
必要があるとの認識を示した。

また、消費税10%への引き上げ判断については、
日本の財政を持続可能なものにするためには
国際社会や市場の信認を得ることが重要だ
と語った。

平野会長は会見で、4〜6月期のGDP成長率の
落ち込みは避けられないとする一方で、7月以降は、
経済対策がすでに打ち出されているほか、企業の
賃上げの取り組みもあり、下支えする可能性がある
と指摘した。

さらに、6月にまとまる政府の成長戦略について、
「この中身がどうなるかがきわめて重要。構造改革
規制改革などが行われるのか。法人税引き下げの問題、
雇用改革がどこまで進むのか。インパクトのある施策が
打ち出されることを期待する」と述べ、一時的な
落ち込みがあるにしても、成長軌道に戻ることは
可能との認識を強調した。

所費税の10%への引き上げについては、「世界的に
見ても大きなGDP対比の公的債務があるにも
かかわらず低金利の状況が、持続可能といえるか」
と指摘。

成長戦略と財政再建を同時に行うのが重要とした上で、
「金融界として念頭におかないといけないは、
市場からの信認」と述べた。

2015年度のプライマリーバランス基礎的財政収支)の
赤字半減と、2020年度の均衡という政府の目標を常に
念頭に置きながら施策を進める必要があると指摘した。

また、同日朝発表になった日銀短観について、
安倍政権の一連の政策効果が出て、好循環が
広がっているものを示すものだと語った。