ユーロ圏の低インフレを懸念、デフレリスクない=コンスタンシオECB副総裁

欧州中央銀行(ECB)のコンスタンシオ副総裁は1日、
ユーロ圏のインフレ率が低水準となっていることに懸念を示し、
景気回復の足かせになる恐れがあるとしながらも、ユーロ圏が
デフレに陥るリスクはないとの見方を示した。

アテネで開催されているユーロ圏財務相会合に出席している
同副総裁は記者団に対し、「インフレ率の上昇ペースを
懸念している」とし、「欧州、及びユーロ圏で低インフレ状況が
長引く可能性があり、景気回復の足かせとなる恐れがある」
と述べた。

ただ「デフレは予想されていない」とした。

ユーロ圏の3月のインフレ率は0.5%と、
前月の0.7%から低下。

ただ同副総裁はユーロ圏経済は第1・四半期も
成長を続けるとの予想を示し、景気が回復するにつれ
インフレ率も上向くとの見方を示した。

イタリアのパドアン経済相も、ユーロ圏財務相会合後に
「中期インフレ見通しがユーロ圏の中期目標である
2%近辺にとどまっていることから、デフレリスクの
兆候はない」と述べ「経済政策当局者は状況を
注視しており、3日のECB理事会では現状を
さらに分析する」と語った。

欧州委員会のレーン副委員長(経済・通貨問題担当)は、
低インフレが長引けば可処分所得は明らかに増加するが、
一方で、ユーロ圏経済のリバランスは遅れる、
との考えを示した。

国際通貨基金IMF)はこれまでECBに対して、
利下げもしくは量的緩和を行うよう求めてきた。

レーン副委員長同様IMFは、低インフレ下では、
ユーロ圏の重債務国が債務を削減し、再び競争力をつけ、
失業率を低下させるのが困難になると指摘している。