メイ英首相が辞意を表明

メイ英首相は24日、欧州連合(EU)離脱をめぐる混迷の責任を取り、辞意を表明しました。
野党の支持を頼りに離脱案の議会承認を目指したことに与党・保守党が反発し、不信任を突き付ける構えをちらつかせていました。
6月7日に保守党の党首を辞任、後任の選出を待って7月にも首相の座を退きます。
同首相は官邸前で演説し、EU離脱のために「最善を尽くした」が、失敗したと認めた上で、「新たな首相が(離脱実現への)取り組みを主導するのが最も国益になるのは明らかだ」と述べました。
EUのバルニエ首席交渉官は「混乱なき離脱に向けて努力したメイ首相に最大限の敬意を表したい」とツイッターに投稿しました。
紛糾必至の「合意なき離脱」も辞さない強硬派らをけん制しました。
英国が国民投票EU離脱を決めた直後の2016年7月、キャメロン前首相の退陣を受けて就任したメイ首相は、EUとの交渉や、議会対策で陣頭指揮を執ってきました。
ただ、2018年11月にEUとまとめた離脱案は、英領北アイルランド国境問題の解決策に英国内で批判が集中し、議会の採決では与党議員が大量に造反し、離脱案は3度にわたり否決されました。
同首相は「合意なき離脱」を回避するため、3月末の離脱を10月末まで延期することを決断し、4月以降は最大野党・労働党との協力を通じて行き詰まりを打開する戦略に転じましたが、協議は今月に入って決裂しました。