日本国債の信認維持、財政改善への意志などが重要=日銀総裁

日銀の白川方明総裁は29日午後の参院財政金融委員会で、
日本国債の信認維持には政府の財政バランス改善に向けた意志と、
物価安定の下での経済成長をめざした日銀の金融政策運営が
重要との認識を示した。
川崎稔委員(民主)の質問に答えた。

白川総裁は、日本の長期金利について「財政バランスの数字が
悪いにもかかわらず、低位で安定的に推移している」
との認識を示した。

理由について、市場参加者が、1)日本は最終的に
財政バランス改善にしっかり取り組むと考えている、2)今後も
長期金利の低位安定が続くと漠然と予想している、ことを挙げ、
「両方の可能性が考えられる」と語った。

さらに、ほとんどが国内投資家によって
保有されている構造も「当面の安心材料」と指摘した。

一方で総裁は「日本の財政状況が厳しいことを、世界の投資家は
みな知っている」と述べ、最終的には、1)日本が財政バランスの
健全化に向けて取り組む意志があるか、2)そうした政府・国会の姿勢を
国民がサポートしているか、3)中央銀行が物価安定の下での
持続的な経済成長という軸足をぶらさずに政策をやっているか、
を市場はみていると思う、と語った。