薄商いの中、来年を占う動きが出るか

今週の為替相場は、クリスマス休暇、
年末年始休暇が意識される中で、
薄商いの動きが予想されます。

この中で、来年を占う動きが強まる可能性もあり、
その場合には波乱含みの展開が意識されます。

欧州では、財政赤字問題が大きな材料と
意識される中で、様々な対応策が打ち出され、
今はやや落ち着いた動きとなっています。

しかし、問題が根本的に解決されたわけではなく、
弱材料が出れば、ユーロは奈落の底に落ちる
可能性は強いままだと考えています。

年明け1月にはユーロ圏各国の格下げが予想されており、
格下げはある程度は織り込み済みとなっていることも確かです。

ただ、実際に格下げが行われた場合、
特に、フランスの格下げが他のユーロ圏諸国に比べ、
一段階大きくなった場合には、ユーロにとっては
大きなマイナスになることが予想されます。

特に、フランスはドイツとともに、
ユーロ圏の中核国として、ユーロ圏を
牽引してきたのですが、そのフランスの格下げが
1段階にとどまらず、2段階となった場合には、
ユーロ圏存立の危機に及ぶと考えられます。

ギリシャ危機などとは次元の違った危機が、
ユーロ圏を襲うというわけです。

また、ギリシャ問題も、
なかなか解決に向かう状態ではありません。

この動きがギリシャ以外のユーロ圏に波及すると、
さらに問題は複雑化します。

結局、ユーロ圏では財政赤字問題について、
様々な施策を打ち出しましたが、何も問題が
解決しなかったということになると、
ユーロにとっては大きな危機ということです。

この動きが年末年始取引の薄商いの中で出てくると、
思わぬユーロの下落を招くとも限りません。

一方、ドルは財政赤字問題による
政府機関の一部閉鎖は辛うじてなくなりましたが、
その危機は依然として続くという感じです。

特に、来年は米大統領選挙となることで、
政府と議会との対立が一段と強まるものとなり、
財政赤字問題が意識されるものとなると考えます。

米大統領選挙の行方を市場はどう見ているのか、
そんな先駆けの動きが年末年始相場で
出てくる可能性もあります。

とはいって、基本は年末年始の
薄商いになる可能性も強いと思います。

あまりにも不確実な材料が多いことで、
市場はどのように動いてよいのか分からない、
そういう可能性が意外に多いのかもしれません。

ドル=円>ユーロの構図には変化がないような感じがします。

この中、円にとっては、有利な材料は
見当たらないのですが、
消去法での円買いが続くと思います。

予想レンジは、
ドル円が73.80〜78.80円、
ユーロ円が96.80〜102.80円、
英ポンド円が116.80〜122.80円、
ドル円が74.80〜80.80円。