スペイン、2011年財政赤字目標達成困難=増税など追加策発表

今月発足したばかりのスペイン新政権は30日、
2011年の財政赤字の対国内総生産GDP)比率が
8%になるとの見通しを示した。
2011年の同比率の目標は6%。

目標達成が困難な情勢となったことを受け、
政府は不動産税引き上げや公務員の賃金凍結などの方針を打ち出した。

また主に高額所得者を対象とした暫定的な増税策も導入し、
約60億ユーロの税収増を図る。

サンタマリア副首相は、赤字圧縮に向け総額89億ユーロ
(115億ドル)の公的支出を削減すると発表。

「スペインは現在、異例かつ予期できなかった状況に直面している。
これにより、想定外の措置を導入せざるを得なくなっている」と述べた。

スペインの2009年の財政赤字の対GDP比率は11.2%。

サパテロ前首相率いる社会党政権は同比率を引き下げてきたが、
ラホイ首相率いる新政権はさらに、2012年には4.4%、
2013年には3%まで引き下げなくてはならない。

10日前には経済財務省が、1〜11月の中央政府
財政赤字について、対GDP比で4.84%となったとし、
政府目標4.8%の達成に向かって
順調に推移していると表明していた。

ただアナリストの間では、地域財政状況の悪化により、
財政赤字の対GDP比目標である
6%には届かないだろうとみられていた。

ルイス・デギンドス経済相は26日、国内経済について、
2011年第4・四半期はマイナス成長となり、
2012年第1・四半期も低迷が続くとの見通しを示している。

仮に2011年の財政赤字が対GDP比8%で確定した場合、
2012年目標の達成に必要な節減額は総額350億ユーロを超える計算になる。