EU首脳会議、新たな財政協定とESMの早期導入で合意

30日の欧州連合EU)首脳会議では、
加盟27カ国のうち25カ国が、
ドイツ主導の新財政協定で合意した。

英国とチェコは新財政協定の3月署名を拒否した。

首脳らは5000億ユーロの欧州安定メカニズム
(ESM)の7月導入についても合意した。

首脳会議は、欧州政府が多額の債務に対処するため、
公的支出の削減と増税を余儀なくされるなか、
経済成長の促進と雇用創出に向けた戦略が焦点となった。

だが、欧州が債務危機を克服しつつあるとのより楽観的な
メッセージを伝える努力は、難航するギリシャ
債務交換協議などに妨げられた。

ドイツのメルケル首相は記者会見で、財政協定と
ESMに関する合意は「信頼回復に向けた
小さいながらもポジティブな一歩だ」と述べた。

フランスのサルコジ大統領は、ギリシャの債務削減に向けた政府と
民間債権者の協議について、数日以内に合意に達するとの見通しを示し、
欧州中央銀行(ECB)が支援の不足分を補う手助けをすると確信していると述べた。

ファンロンパイEU大統領は、大量の国債償還を迎える3月中旬に
ギリシャのデフォルト(債務不履行)を回避するため、
債務交換協議は今週合意する必要があると強調した。

また、キャメロン英首相は記者団に対し「われわれの国益は、
ユーロ加盟国がユーロという混乱をまとめることだ」と語った。

同首相は条約改正への反対姿勢を軟化させる兆しを
まったく見せていないものの、メルケル首相は、
新たな財政協定が後に容易にEU法に盛り込まれる可能性があり、
5年以内にはそうなるだろうとの見通しを示した。