IMF強化へ貢献検討、欧州は金融安全網の規模拡大を=安住財務相

安住淳財務相と日銀の白川方明総裁は25日、
20カ国財務相中央銀行総裁会議G20)の
初日の討議を終え、共同で記者会見を行った。

安住財務相は今回の会合の焦点となっている
欧州危機拡大阻止に向けた国際通貨基金IMF)の
資金基盤強化について、欧州の一段の努力を前提に
「日本の貢献を具体的に検討したい」と前向きな姿勢を示した。

欧州域内の金融安全網の規模拡大を求めたことも明らかにした。

白川日銀総裁は、最近の原油価格の上昇は
各国の金融緩和政策が主因とはみていないとしながらも、
「金融緩和の効果と副作用を注視していく」と語った。

安住財務相は初日の会合において、欧州危機の拡大を防ぐため、
欧州金融安定ファシリティー(EFSF)と今年7月に発足する
常設の金融安全網である欧州安定メカニズム(ESM)の上限を
引き上げるべきと表明したことを明らかにした。

ユーロ圏首脳は、両者を合わせた融資額の上限について、
当面5000億ユーロとすることで合意しているが、
現行のEFSFの融資可能額2500億ユーロと合わせて
7500億ユーロに拡充すべきとの意見もある。

欧州連合EU)は3月1〜2日の首脳会議で
この問題について議論する予定だが、安住財務相の発言は
拡充を支持したものとみられる。

また、同財務相は、IMFの資金基盤の強化に対し、
日本の貢献について具体的に考えたいと表明。

4月にワシントンで開催される予定のG20会合までに
欧州の債務危機問題に区切りをつけられることが
前提とした上で、「(ワシントンG20に向けて)IMF
資金基盤強化の議論が進んでいくことを期待している」と語った。

EFSFが資金調達のために発行している債券についても
「今後も協力を続けたい」とし、購入を継続する考えを示した。

白川日銀総裁は、足元で原油価格が上昇していること関して
地政学リスクの高まりと年明け後に先進国経済で多少、
明るい動きが出ていることが背景にある」と分析。

世界的な金融緩和の影響については「ベースとして
金融緩和が続いているわけだが、金融緩和が
原油価格上昇の主な要因とは思っていない」と述べ、
日銀が14日に追加金融緩和策を決定したことを含め、
世界的な金融緩和によるものではないとの認識を示した。

ただ、「金融緩和の効果と副作用について注意深く
みていく必要がある」とも語り、原油価格など国際商品市況の
動向を注視していく考えを示した。