小沢民主党元代表、早期離党には否定的見解

民主党小沢一郎元代表は26日夕、衆院本会議で
消費増税を含む社会保障・税一体改革関連法案が
可決されたことを受けて会見し、参院でも消費増税法案の
可決を阻止する考えを明らかにした。

当面は政府や党執行部に対し「本来のあり方に
帰ることを主張したい」と早期の離党を否定したが、
「近いうちにどうするか決断する」とも述べ、
今後の行動に含みを残した。

小沢元代表は自らも反対票を投じた消費増税法案を
増税だけが先行する国民に対する背信行為で、
うそつきと言われても仕方ないような行為」と厳しく批判。

民主党社会保障や年金制度、医療などに関する
改革案を掲げて政権交代を実現したにも関わらず
「そういうことを一切棚上げして、消費増税だけを先行する。
これは私ども(自身のグループ)も、そして国民が
決して納得しない、許さない行為」と主張し、
グループが反対した理由を説明した。

参院審議でも「何とか消費増税を阻止できるよう
努力したい」との考えを示した。

自らを含むグループが本会議採決で反対票を投じたことで、
今後は「それなりの対応をしていかないといけない」考えも表明。

元代表は「民主党が(政権交代した)あの総選挙で
国民に訴えた原点に変えること、初心を思い起こすこと」が
最善の策だとし「その可能性は非常に小さくなってしまった」
としながらも「なお最後の努力をして、原点に返る、
本来の民主党のあり方に返ることを、政府あるいは
党執行部に対して主張していきたい」との方針を示した。

ただ、同時に「総選挙もかなり近いことが予想される。
いたずらに時間を経過するわけにはいかないので、
いずれにせよ近いうちにどうするかの決断を
しないといけないだろう」とも述べた。

野田佳彦首相との再会談は「野田さんにその気持ちが
あれば、いつでも応じたい」とした。

元代表を支持するグループは、本会議の採決終了後に
衆院議員会館で会合を開き、今後の対応を元代表に一任した。

出席議員によると、会合の席上でも元代表
「いろいろな角度を模索しながら最善の道を
追求したい」と述べ、早期の離党に否定的な考えを
示したが、同時に「いつまでも宙ぶらりんの
状況ではいられない」とも話したという。