フランスで最低賃金2%引き上げ、緊縮策による影響緩和に

フランス政府は26日、増税や歳出凍結が経済に与える
悪影響を和らげるため、最低賃金を7月1日から
2%引き上げると発表した。

ただ、引き上げ幅はわずか2%で、
労組が要求していた水準を大きく下回った。

オランド新政権は、欧州諸国に対して緊縮策から
成長を促す政策に舵を切るよう訴えており、
フランスの財政赤字に関しては、2012年目標の
国内総生産GDP)比4.5%以内に抑えるため、
増税に依存する考えを示している。

しかし、フランス経済は低迷が続いており、
国立統計経済研究所(INSEE)は、
2012年のGDP伸び率がわずか0.4%にとどまり、
失業率は現在の10%から10.3%に
上昇するとの見通しを示した。

ジェローム・カユザック予算相は、2013年から
3年間にわたり歳出を凍結する計画に加え、
今年の歳出を10億ユーロ(12億5000万ドル)
削減する方針を表明。

エロー首相は25日、中央政府の省庁や地方政府の支出を
2013年から3年間凍結すると明らかにしていた。

債務コストや年金は凍結対象から除外される。

オランド政権は、主に増税を通じ、公的部門の赤字を
GDP比で2011年の5.2%から2012年は
4.5%に引き下げると公約している。

フランスの2012年の歳出は約3600億ユーロに達すると
見込まれているが、政府は近く予算の修正案を発表する予定。

サパン労働・雇用・職業訓練・社会対話相は、
最低賃金を2%引き上げても、インフレ率を考慮すれば、
実質的な引き上げ幅は0.6%になると明らかにした。

引き上げられた後の新たな
最低賃金は時間当たり9.4ユーロ。

フランスでは、正規労働者の10%近く、パートタイム労働者の
約25%に当たる160万人前後が、最低賃金で働いている。