4〜6月期実質GDP前期比年率1.4%増、消費減速で予想下回る成長に

内閣府が13日発表した2012年4〜6月期国民所得統計1次速報によると、
実質国内総生産GDP)は前期比プラス0.3%、年率換算プラス1.4%と、
大震災以降4四半期連続のプラス成長となった。

設備投資をはじめ、住宅投資、消費、公的支出など
内需はプラス寄与の一方、外需は輸出の鈍化が響き、
寄与度はマイナスとなった。

消費は予想以上に減速し、
GDP全体を押し上げる力を欠いた。

この結果、1〜3月期の高成長からは減速、
成長の勢い自体は前期より鈍化した。

4〜6月期はプラス成長を維持したものの、
事前予測を大きく下回った。

前期の1〜3月期は前期比1.3%と高成長だったが、
うるう年により押し上げられており、その分4〜6月期は
低めに出やすいため、実際にはもう少し強い数字だったと
推測される。

しかしそれを考慮してもやや弱めとなったのは、
消費が大きく減速したためだ。

4〜6月期の民間最終消費支出は前期比0.1%と、
1〜3月期の同1.2%から増勢は鈍化。

前期が高い伸びとなったのは復興需要やエコカー補助金
といった政策効果が寄与した面があったため。

しかし、今期は耐久財やサービス支出が押し上げ要因となった一方で、
大雨や台風など天候不順で衣類など半耐久財や、燃料・電気代など
非耐久財を中心に弱含んだ。

危機や世界経済減速で消費者マインドが
弱含んだ影響もあったとみられる。

一方で、設備投資は前期のマイナスから
前期比1.5%のプラス成長に転換した。

先送りされていた投資案件は新年度に入り
徐々に出てきたことをうかがわせる。

また復興需要を中心に住宅投資が0.8%のプラス成長に転換、
公共投資(公的固定資本形成)は前期比の大幅な伸びからは
鈍化したものの、同1.7%増とプラスを維持した。

振るわなかったのは外需だ。

輸出は1〜3月にタイ洪水からの反動もあり3.4%の
高い伸びとなっていたが、4〜6月期は1.2%に鈍化。

増勢は維持したものの、円高や海外経済の
減速傾向が影響したものとみられる。

輸入は1.6%増と前期より伸び率は低くなったが、
外需全体ではマイナスの寄与度となった。

古川元久経済財政担当相はこの結果について「景気は
内需にけん引されるかたちで上向きの動きが続いている」
との談話を発表。

その後の会見で、前期より伸びが鈍化したことについて
「もともと前期が高い伸びだった。エコカー補助金
復興需要に伴う公共投資が上乗せの要因にはならなかったが、
引き続き高い水準が続いていると認識している」との考えを示した。

古川経済財政相は7〜9月期以降も、復興需要が
景気を下支えするなかで趨勢としては緩やかな成長が
続くと見込まれるとする一方、欧州債務危機を背景とした
海外経済のさらなる下振れには留意する必要がある
との認識を示し、政府としては、2013年度までを念頭に、
規制制度改革、予算、税制などの政策手段を動員して
デフレ脱却に全力で取り組むとした。

また補正予算の必要性については、景気の状況や
先行きのリスクを注視し、必要なら機動的に
対応するとの考えを示した。

古川経済財政相は今後の日本経済について、
デフレからの脱却や民需主導の経済への移行が大事だとし、
日本再生戦略の大きな柱であるグリーン成長戦略を
実現するためのインフラ整備などの施策をどのような
タイミングでどう行うか、「補正予算を含めて
検討していくことが重要だ」と述べた。