カナダ中銀、政策金利据え置き=将来的な引き締めを依然示唆

カナダ銀行中央銀行)は4日、政策金利である
翌日物金利を1%に据え置いた。

その上で、「時間をかけて」利上げする必要がある
公算が大きいとし、成長が予想以上に軟調で、
インフレが低水準にとどまり、米「財政の崖」が
懸念されているものの、10月に示した見解を堅持した。

中銀は声明で「インフレ目標の2%達成と整合性が
取れるよう、金融刺激策を徐々に、幾分緩やかに
解除することが必要になるだろう」とし、
10月の政策決定会合の声明の文言を踏襲した。

中銀は政策金利をこれまで2年間にわたり1%に
据え置いているが、今年4月、引き締めに向けた
メッセージを発し始めた。

日米欧7カ国(G7)の中銀のなかで引き締めを
示唆しているのはカナダ中銀のみとなっている。

カナダの第3・四半期成長率が年率換算で0.6%に
減速したことについて、減速はエネルギー部門の
一時的な停滞が一部要因だったとし、「基調的な
モメンタムは予想より若干軟調となっている模様だが、
経済成長のペースは2013年を通して上向くと
みられている」との認識を示した。

インフレ率については、10月に示した予想と
「概ね一致」しているとし、総合インフレ率と
コアインフレ率の双方は、向こう1年間で
中銀が目標とする2%に達するとの見通しを示した。

中銀は10月、コアインフレ率は2013年半ば、
総合インフレ率は同年末には目標に達する
との予想を示している。

カナダの10月インフレ率は1.3%。

中銀は第4・四半期のインフレ率は
1.6%になるとみている。

カナダ最大の貿易相手国である米国については、
「財政の崖」をめぐる不透明感が緩やかな
景気回復の重しとなっているとの認識を示した。