ブラジル中央銀行は16日、政策金利
過去最低の7.25%で据え置くと発表した。
全会一致の決定だった。

ただ、中銀はインフレの短期的な
見通しが悪化したとの見解を示した。

中銀は声明で、インフレの「リスクバランス」が
短期的に悪化したことを認めた。

ただ、ブラジルの景気回復が予想ほど力強くなく、
外部環境も引き続き複雑だとの認識も示した。

アナリストは声明について、中銀がここ数カ月、
前年比ベースで上昇しているインフレを
注視していることを認めたと指摘。

ただ、しばらくは政策金利
据え置く公算が大きいとしている。

中銀は声明で、インフレ率を目標レンジ
(4.5%を中央値として上下2%ポイント)の
中央に低下させるには「十分長期にわたって」
金利を安定させることが最も適切な戦略だ、
と改めて表明した。

声明でインフレの悪化に言及したことを受け、
市場では年内の追加利下げ観測が後退する可能性がある。

ブラジル経済研究所のエコノミスト、シルビア・マトス氏は
「声明を見る限り、中銀は可能な限り長期にわたって
政策金利を7.25%に据え置くだろう。インフレ率が
6.5%に近付かなければ、利上げはしないだろう」と述べた。

ブラジル中銀は2011年8月以降、計525ベーシスポイント
(bp)の利下げを実施したが、インフレ圧力が強まったことを
受けて、昨年11月に利下げを休止した。
昨年末時点のインフレ率は5.84%。

今年のインフレ率は中銀のエコノミスト調査で
5.53%と予想されている。

ただ、中銀は年内にインフレが緩和するとみており、
今年のインフレ率を4.8%、来年のインフレ率を
4.9%と予想している。