欧州委、銀行にEURIBOR算出パネルへの参加義務化も=バルニエ委員

欧州委員会のバルニエ委員は8日、欧州銀行間取引金利
(EURIBOR)に関する追加の法制化案を提示する方針を示した。

銀行に対し、EURIBORの算出パネルへの
参加を義務付ける可能性があるという。

同委員は声明で「欧州委員会は、基準金利運営の枠組みを
さらに透明にするため、今年第2・四半期に基準金利
関する追加の法制化を提案する」と表明。

「算出パネルからの撤退を考えている銀行は、
パネルへの参加を再び求められる可能性が
あることに留意すべきだ」と述べた。

EURIBORやロンドン銀行間取引金利LIBOR)などの
指標金利をめぐっては、当局が不正操作疑惑を調査しているほか、
今後の運営体制に関する不透明感が強く、これまでラボバンク
シティ、デカバンクなど5行がEURIBOR算出パネルから撤退している。

欧州中央銀行(ECB)も8日、指標金利は金融政策を
遂行する上で重要な役割を担っているとして、
銀行にEURIBOR算出に向けた金利申告を
続けるよう求める声明を発表した。

ECBは声明で「監視の枠組みが改善されている中、
金融システムの機能が損なわれる事態を防ぐため、
ユーロシステムは各銀行にEURIBORパネルへの残留、
もしくは加入を強く勧める」と表明。

重要な参考レートを銀行に強制的に申告させる
とする欧州委員会提案を支持するとした。

現在EURIBORの算出を手掛ける欧州銀行連盟
(EBF)は欧州委に対し、公的な監視下で、
独立の非営利機関が運営すべきと提言している。

ドイツ連邦金融サービス監督庁(BAFin)は
算出パネルへの参加義務化は有効な可能性があるが、
「中小行への過度な負担を回避するため」線引きの
検討が必要との立場を示している。

バルニエ委員は、パネルへの参加を義務化すべき
対象銀行の特定を欧州銀行監督機構(EBA)と
欧州証券市場機構(ESMA)に依頼したことを明らかにした。