キプロス支援策、国内2位の銀行閉鎖と大口預金者負担で合意

キプロス政府は金融支援策をめぐり、
国際支援機関と新たな合意を結んだ。

国内2位のキプロス・ポピュラー(ライキ)銀行を閉鎖し、
預金保険対象外の大口預金者に大幅な負担を求める内容。

計画ではライキ銀行を閉鎖し、小口預金(10万ユーロ未満)を
国内銀行最大手バンク・オブ・キプロスに移管して
「グッドバンク」を設立することが盛り込まれている。

欧州連合EU)の預金保険関連規則の対象外となっている
大口預金(10万ユーロ超)は凍結され、債務問題の
解決に充てられる。

バンク・オブ・キプロスは預金と
株式転換を通じて資本再編が行われる。

ユーログループのダイセルブルーム議長(オランダ財務相)は、
ライキ銀行の預金保険対象外の大口預金の凍結で、42億ユーロが
捻出できるとの見通しを示している。

EUのスポークスマンはキプロスの国内行で預金に
対する全面的な課税は行わないと明らかにした。

ただし、主要2行の大口預金者に対する負担は
当初の計画よりも大きいものとなる見込み。

ドイツのショイブレ財務相は既に必要な法律は
可決しており、新たな枠組みに対する議会採決は
必要ないと述べた。

その上で両行の債権者の損失負担
なくしては成立しなかったと指摘。

ドイツ政府が受け入れられる
結果が得られたと述べた。

ドイツ議会の承認は得られると
確信していると述べた。

アナスタシアディス大統領は24日の協議の際、
辞任の可能性を示唆した場面もあった。

外交官は大統領がロシアや英国の富裕層からの
巨額の投資を引き付けるオフショアの
金融センターとしての枠組みを必死に
守ろうとしていたと明らかにした。

EU国際通貨基金IMF)は100億ユーロの
支援策の代わりに、キプロスに対し
58億ユーロを拠出することを要求していた。

欧州安定メカニズム(ESM)の責任者、
クラウス・レグリング氏は、キプロス
5月初めにユーロ圏からの第一弾融資を
受け取る見込みだと明らかにした。

IMFのラガルド専務理事は今回の合意について、
キプロスの銀行システムの中核問題に対処する
「包括的かつ信用できるプラン」だと指摘。

声明で「この合意は銀行システムへの信頼回復に
向けた根拠を提供し、成長支援のカギとなるものだ」
と述べた。