金融緩和は既に織り込み?

今週の為替相場は、日本発の
材料を注目するものと思います。

まず、週初に日銀短観の発表があります。

大企業製造業の業況判断DIはマイナスから
プラスに浮上する見込みで、先行きについても
プラス幅が拡大するものと見られます。

また、3、4日には黒田日銀総裁が初めて主宰する
日銀の金融政策決定会合が開かれます。

日銀総裁に就任する条件として、安倍首相が
強力な金融緩和の実行を迫っていたわけで、
今回初めて行われる金融政策決定会合では、
金融緩和を行うものと見ています。

市場も、既に、黒田新体制化での金融政策決定会合で、
強力な金融緩和が行われることを織り込みつつあります。

このため、さらに円売りが進むことは
考えにくくなっています。

むしろ、今の材料はキプロス危機に
端を発した欧州の金融情勢です。

キプロスの危機が、真に解決したわけでないことは、
その後の発言を見ると良く理解できます。

また、キプロスの解決法を他の国に当てはめることに
反対する声が強いことも、その場しのぎの
解決だったことが理解できます。

ギリシャキプロスと、問題解決が
出来ていないことは明らかです。

次は、どこか、次はどんな綻びが見えるのか、
欧州の金融情勢を巡る不安は去っていないのです。

このような流れの中で、ユーロを
中心に市場は動くものと見ています。

残念ながら、日本が強力な金融緩和を行っても、
欧州で何かがあれば、ユーロ売りが強まります。

円安には結びつかないと考えています。

ただ、問題が一つあります。

米韓軍事演習をきっかけに、
北朝鮮が態度を硬化していることです。

今までのように、それが脅しで終われば
良いのですが、偶然の動きがとんでもない
事態になる可能性はゼロではありません。

そんな恐れが、今、そこにある危機として、
意識されています。

朝鮮半島で何かがあれば、北朝鮮
暴発するようなことになると、
円は一気に売られることになります。

4月は何があるかわからない、
そんな思いを強めながら、日銀短観
日銀金融政策決定会合を見極めたいと思います。

予想レンジは、
ドル円が89.20〜96.20円、
ユーロ円が116.20〜125.20円、
英ポンド円が138.20〜146.20円、
ドル円が72.20〜82.20円。