米FRBの非標準的政策、節度ある活用が大切=SF地区連銀総裁

米サンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁は、
失業率やインフレを望ましい水準にするために
非標準的政策ツールを活用する場合は節度が
大切との認識を示した。

債券買い入れなどの非標準的措置は、政策金利
調整のような標準的措置と比べて、効果もリスクも
はっきり把握できていないため、運用には慎重を
期すべきと考えている。

9日に公表された12日に行う講演の原稿は
「金融・経済状況に影響を与えるFRB
バランスシート活用など非標準的政策ツールに
ついてはその政策効果をめぐる不透明感が特に高い」
としている。

一部米連邦公開市場委員会FOMC)メンバーも含め、
量的緩和と呼ばれる債券買い入れプログラムに批判的な向きは、
量的緩和が金融市場を不安定にしたりインフレ期待を
コントロールできなくするリスクを指摘している。

ウィリアムズ総裁は、不透明感があるといって
非標準的手段を使ってはならないということにはならないが、
活用は控えめに、しかも他の方策が尽きた場合であるべきと主張。

「実際、不透明感を認識した場合、金融政策においては
ある程度控えめにすることが最適だろう」とし、
そうしたアプローチをとることが、経済生産と
インフレを緩やかに正常なレベルに戻すことにつながるとした。

ノーベル賞を受賞した経済学者クルーグマン氏などは、
FRBは失業率を押し下げるための措置が十分でない
と批判している。

総裁は「経済が受けたショックへのFRBの対応が
不十分との主張は、政策の効果が明確との想定に
立ったもの」とし「見当違い」と断じた。

FRBの債券買い入れプログラムについて多大な
不確実性があるということは、FRBの積極さが
一部経済モデルが示す程度の半分くらいに
抑えるべきということを意味するとしている。

講演原稿では、債券買い入れの縮小は主張していない。

総裁は6月28日、資産買い入れプログラムは適切とし、
縮小に踏み切るのはFOMCメンバーが雇用市場回復への
確信を強めてからにすべきと述べている。