中国の貿易見通し悪化、輸出業者は自信喪失=税関当局

中国の税関当局は10日、6月の貿易統計を受け、
輸出と輸入で深刻な試練に直面しているとの見解を示した。

外需の減少、労働コストの上昇、人民元相場の上昇で
輸出業者が自信を喪失しており、貿易見通しは
悪化していると指摘した。

この日発表した6月の貿易統計では輸出が
前年同月比3.1%減、輸入が同0.7%減。
輸出は2012年1月以来の前年割れとなった。

中国の貿易統計をめぐっては、投機資金流入を隠すため
貿易を装うケースがあり、それで輸出がかさ上げ
されていると指摘され、政府が取り締まりに乗り出していた。

税関当局の報道官は、政府の取り組みもあり、
6月の貿易統計は輸出の実態がより正確に
反映されたとの見方を示した。

その上で、税関当局が輸出業者を対象に毎月実施している調査で、
6月は、新規輸出受注が減少し、今後2〜3カ月の輸出を
楽観していないとの回答が43.8%を占めたことを挙げて
「第3・四半期の輸出は厳しい情勢」と述べた。

この調査では、69.1%がコスト全般の上昇に不満を訴え、
70.5%が労働コスト上昇、59.8%は元高の打撃を指摘した
という。