ECB、利下げや新たな非標準的措置の実施が必要となる公算=IMF

国際通貨基金IMF)は25日、ユーロ圏経済について
歳出削減策がなお重しとなっているとし、景気支援に向け
欧州中央銀行(ECB)は利下げや新たな非標準的措置の
実施が必要になる可能性があるとの見解を示した。

IMFはユーロ圏経済の経済情勢を検証する報告書で、
財政健全化に向けた措置により2013年の域内総生産
GDP)伸び率が最大1.25%ポイント押し下げられる
可能性があると指摘。成長率は2013年はマイナス0.6%となり、
ユーロ圏は2年連続のマイナス成長に陥るとの予想を示した。
ただ2014年はプラス0.9%になるとしている。

報告書は「ユーロ圏全体で、緊縮財政措置による
成長に対するマイナスの影響は2013年は(GDP伸び率の)
1〜1.25%ポイントに相当する可能性がある」とし、
「成長に対する過度な重しとならないよう、財政調整の
ペースを勘案する必要がある」とした。

その上で、ユーロ圏経済が停滞するリスクが存在し、
インフレ圧力が非常に弱いなか、ECBは金融市場の
「断片化」を縮小するための措置をとり、成長を
支援する必要があると指摘。

「追加的な非標準的な金融上の支援は、断片化是正の
一助になる可能性がある」とし、「ECBは現在の
アプローチを押し進め、十分な規模の追加流動性供給オペ
(LTRO)を実施し、ぜい弱ではあるものの存続可能な
銀行の資金需要を満たす必要がある」とした。

その上で、「断片化の問題に対処し、金融政策の伝達を
より決定的にするために、ECBは(新たな中小企業
向け融資に連動する)目標を定めたLTROの実施などを
含む追加的な非標準的な政策を検討する必要がある」とした。

報告書はまた、ユーロ圏経済の停滞リスクを解消するため、
各国政府が改革を推し進めると同時に、ユーロ圏全体として
銀行同盟の創設に向け前進する必要があると提言。

銀行同盟を通して問題を抱える銀行を洗い出した上で
資本増強を実施することで、中小企業向け融資が
促進されることから、銀行同盟の創設は特に重要
との見方を示した。