カナダ中銀が政策金利据え置き、輸出・設備投資の回復に遅れ

カナダ銀行中央銀行)は4日、政策金利である
翌日物金利を予想通り1%に据え置いた。

政策決定に関する声明は前回と同じ内容で、
利上げ時期が依然遠いことを示唆した。

声明では「国内経済にかなりの緩みが存在し、
インフレ見通しが抑制され、家計部門の不均衡の
動向が建設的に進展し続ける限り、現在実施されている
著しい金融刺激は引き続き適切となる」とし、
前回会合の文言を踏襲。

利上げがかなり先になる可能性を示唆した。

また、景気回復のけん引役を果たす輸出と民間設備投資の
加速に予想以上に時間がかかっているとの認識を示し
「不透明な世界経済の状況が、国内需要が輸出や投資に
向かうことを遅らせているようだ」と指摘した。

国内総生産GDP)予測については、2014年には
経済の過剰な緩みが吸収され始めると予想。

成長見通しは7月時点から
ほぼ変わっていないとの認識を示した。

中銀は7月、第3・四半期の成長率が3.8%、
第4・四半期は2.5%になると予想。

生産ギャップは2015年半ばに解消されるとし、
生産ギャップの縮小には2.1%を超える成長率が
必要との見方を示していた。

第2・四半期の成長率は1.7%と、
中銀予想の1%を上回った。

住宅市場と家計債務の最近の動向には
ほとんど懸念を示さなかった。

住宅市場は予想以上に強いとした上で、クレジットの
伸びの減速と住宅ローンの金利上昇が重しになっているとし、
これは「家計部門の不均衡の動向が建設的に
進展し続ける」ことを示唆しているとの見解を示した。

最大の輸出先である米国について、民間需要の堅調さが
増す一方、経済指標は景気の勢いが期待に
やや及ばないことを示唆していると指摘。

世界経済は概ね予想通り
拡大しているとの認識を示した。