世界の中銀、明確な政策協調は実現不可能=米NY連銀総裁

米ニューヨーク(NY)連銀のダドリー総裁は27日、
世界の中央銀行間で明確に政策を協調させることは
不可能としつつ、金融の緊張時に外貨準備を
利用できるような、一段と効果的なシステムを
構築するべきだとの考えを示した。
同連銀内部での講演の準備原稿で述べた。

総裁は、各中銀は国内経済の必要性に
応じた政策をとる必要があると強調。

特に連邦準備理事会(FRB)はその政策決定が
国外に与える影響をより意識しているかもしれないが、
「明確な政策協調は実現可能でもないし、
望ましいとも思えない」と指摘した。

ただ総裁は、改善すべき分野の1つとして、
特定の国で資本逃避が起き始めた際に米ドルを
中心とする大規模な外貨準備への緊急アクセスを
各中銀が確保することを挙げた。

「金融の緊張局面において、調整に役立つ
流動性のある資金にアクセスできるよう、
世界的な集団保険システムを設計することが
できるかもしれない」とした上で、「これは
市場のボラティリティーを低下させるのに
役立つだろう」と述べた。

現行システムについては、外貨保有はコストが高く、
ある中銀が外貨準備に手を付ければ金融市場に
ネガティブなシグナルを送ることになるとして、
「非効率かつ、しばしば非効果的」だと付け加えた。