米FOMC参加者の金利予想、公表中止検討を=ダラス連銀総裁

米ダラス地区連銀のフィッシャー総裁は9日、
連邦準備理事会(FRB)が公表する連邦公開市場委員会
FOMC)参加者の金利見通しには欠陥があり、
公表の取り止めを検討すべきとの考えを示した。

金利見通しは「ドット・チャート」とも呼ばれ、
フェデラルファンド(FF)金利を最初に引き上げる
適切な時期や、金利の道筋に関する当局者
16人それぞれの予想を示す。

フィッシャー総裁は、見通しは概ね推測に
基づくもので、顔ぶれが変わる参加者の見方を
反映していて問題だと指摘。

「ドット・チャートが混乱を起こすのなら、
全廃するのも一つの選択肢だ」と述べた。

金利見通しはFRBの政策を占う上で市場の注目を
集めるが、FOMC声明と内容が矛盾する場合も
あるとの指摘が出ている。

総裁は銀行関係者を前にした講演で、
金利見通しを深読みすべきではないと指摘。

FRBは今後も市場との対話方法を
改善していくとの見方を示した。

FRB当局者は「予言者ではなく、数四半期先のことでさえ、
ノストラダムスのような予言能力は有していない」とした。

またFOMC投票権を持つメンバーが毎年入れ代わる点を
踏まえると、エコノミストらがFRB金利見通しにかなり
執着していることは驚きと述べた。

縮小を進めている資産買い入れについては、10月の
FOMCで終了するとの見方を改めて示した。

FRBは資産買い入れ終了から利上げまでは
「相当な期間がある」としているが、
フィッシャー総裁は「経済全般として、
成長への資金手当てで十分な流動性がある。
FOMCはインフレ率が2%の目標を上回る
見込みが低い限り、(流動性の)コストを
確実に手の届く水準に維持する」との見方を
示した。

また今後の金融政策におけるリバース・レポ・
ファシリティーの役割について、FRB内で活発な
議論が行われていることを明らかにした。

リバース・レポ・ファシリティーの正式採用に
関する最終決定はまだとしている。