伊首相が改革断行・成長重視推進を表明、欧州議会選の躍進受け

イタリアのレンツィ首相は26日、欧州議会選挙で
自身の中道左派民主党」が大躍進したことを受けて、
国内で経済、制度改革を断行するとともに、欧州で
成長重視の政策を推進する方針を表明した。

欧州議会選は22日から25日にかけて各国で実施され、
イタリアではレンツィ首相の民主党が、他党に大差を
つけて躍進し、首相の経済・構造改革有権者
お墨付きを得る結果となった。

開票速報によると、民主党の得票率は40.8%以上。

コメディアンのベッペ・グリッロ氏が率いる第2位の政党
五つ星運動」の21.2%のほぼ2倍を得票した。

ベルルコーニ元首相の「フォルツァ
イタリア(FI)」は16.8%にとどまった。

レンツィ首相はメルケル独首相とともに、
今回の欧州議会選で議席を伸ばしたEU懐疑派の
追撃を逃れた数少ない欧州首脳となった。

レンツィ首相は記者会見で、緊縮財政に代わり
雇用・成長に重点を置くべきとの考えを改めて示し、
「今回の選挙結果は、イタリアが変化し、欧州にも
変化をもたらし得る条件をすべて備えているという
大きな希望だと受け止めている」と述べた。

3年にわたる不況が、レンツィ首相の野心的な
改革プログラムへの支持を促したと言える。

今回の結果を受け、一部からは、レンツィ首相が
前倒し選挙を実施し、政権、議会での党の勢力を
拡大することも可能との声も出ている。

民主党は、欧州議会でもメルケル独首相の
キリスト教民主同盟(CDU)に次ぐ第2位の
政党となる。

選挙結果を受け、イタリア株は3.6%高で取引を終了。
同国の国債利回りも大幅低下した。

南欧諸国がなお債務危機の打撃に苦しみ、欧州内で
主要政党に対する有権者の怒りが高まる中、
レンツィ氏にとっては、メルケル首相に対し成長、
雇用を重視すべきとの自身の主張をより展開しやくなる
可能性がある。

またイタリアが7月にEU議長国に就任することも、
レンツィ首相にとり追い風となる見通しだ。