欧州議会選、ギリシャは反緊縮派が「歴史的勝利」宣言

欧州各国で実施された欧州議会選挙は、
ギリシャでは反緊縮派野党の急進左派連合
(SYRIZA)が最多票を集めた。

アレクシス・ツィプラス党首は、
緊縮財政策に対する勝利を宣言した。

急進左派が国政選挙で勝利を
収めるのは近代のギリシャで初めて。

ただ、与党との票差は同国の連立政権を
揺さぶるのに必要とされる5%ポイントには
届かなかった。

ツィプラス氏は26日朝早くに集まった
支援者らに対し、「これは歴史的な勝利だ」
と強調。

ギリシャが緊縮策を非難したため、
欧州全域で話題になっている」とした。

欧州議会選挙では、極右や急進左派など、
欧州連合EU)統合に懐疑的な勢力が
各国で躍進した。

ギリシャ内務省によると、開票率95%の時点で、
SYRIZAの得票率が26.5%と、サマラス首相の
率いる新民主主義党(ND)の22.8%を上回った。

SYRIZAは、アテネを含む
アッティカ地域の知事選でも勝利を収めた。

同地域は総人口の約3分の1を抱えている。

同地域で急進左派の知事が選ばれるのは初めて。

サマラス政権は2012年の発足以来、EU
国際通貨基金IMF)の金融支援プログラムの下、
厳しい緊縮策を実施してきた。

ただ、連立を組む全ギリシャ社会主義運動
(PASOK)は大敗の予想に反し、8%の得票率を
確保したため、ND・PASOK連合の合計得票率は
SYRIZAを上回った。

アナリストによると、これにより
早期の総選挙の可能性は当面、なくなった。