中国人民銀、一部銀行の預金準備率50bp引き下げ、実体経済支援

中国人民銀行中央銀行)は、農業部門や中小企業へ
多く融資を行う一部銀行に対して、預金準備率を
50ベーシスポイント(bp)引き下げる方針を発表した。
16日から適用する。

経済活動を下支えするために、より多くの
銀行資金を融資に回す狙いがある。

人民銀はウェブサイトに掲載した声明で「対象を
絞った今回の引き下げで、実体経済で支援を必要とする
分野に、商業銀行が資金配分を増やすことを促し、
金融政策が実体経済により円滑な形で波及するように
する」と説明した。

全方位的に信用供給を増やせば、投機や無駄な
投資につながるとの懸念が出ており、支援を
最も必要とする実体経済に照準を当て、政策を
緩和する政府の方針が鮮明となった。

中国国務院(内閣に相当)は前月30日、預金準備率
引き下げの適用銀行数を拡大する方針を発表、
人民銀が今回、実施に移した。

中国指導部の指示に従って人民銀が預金準備率を
引き下げるのは4月以降で2度目。

前回4月には、地方銀行を対象に
50〜200bpの引き下げを実施した。

ただ、このときに準備率が下がった銀行は、
今回対象外になるとしている。

人民銀は、銀行システムの流動性は現在潤沢で、
金融政策の「基本的な」方向性は変わっていないとした。

預金準備率の引き下げは、都市商業銀行の3分の2、
業務が郡向けに制限されていない農村部の銀行の
80〜90%に適用されるとしている。

人民銀は、昨年の農業部門や中小企業への新規融資が、
今年の新規融資全体の50%を上回っている銀行を
対象にすると表明。

農業部門や中小企業への融資残高が、融資残高全体の
30%を超えていることも要件とした。

預金準備率引き下げの効果や今後の政策の
行方については、アナリストの間でも意見が
分かれている。

中国では銀行の預金準備率は
一律ではなく、透明性も確保されていない。

小規模行は大手行よりも
率が小さい傾向にある。