物価2%達成時期、原油動向で前後するのは事実=岩田日銀副総裁

岩田規久男日銀副総裁は6日午後、参院決算委員会で、
2%の物価目標達成時期が2015年度を中心とする
時期との考えに変わりはないが「達成時期が
原油動向で前後するのは事実」と指摘した。

また日銀が物価見通しの前提として、原油価格の
バレル70ドルへの上昇を想定しているのは
先物市場を参照したため」と説明。

その上で「原油市場動向を
注視する」と強調した。

磯崎哲史委員(民主)の質問に対する答弁。

磯崎氏は、誰も予想の出来ない原油急落で物価上昇率
低下するのは当然だが、物価上昇が消費の下押し圧力と
なる中で無理をして2年で2%を目指すことの合理性を
追求した。

これに対して岩田副総裁は「2%の物価目標を2年程度で
達成するとの量的・質的緩和導入時の考えは変わらない」、
原油価格下落で消費者物価の上昇率は0%台まで
縮小しているが、基調的な物価上昇率は着実に
高まっている」とした。

具体的には、供給に対する需要不足を示す
需給ギャップはゼロ近辺まで縮小しており、
先行きも改善傾向をたどる」ほか、家計や
企業の物価観である「予想インフレ率も
長い目で上昇している」と説明。

「人々のデフレマインドの転換は
着実に進んでいる」と強調した。

原油などエネルギー価格の下落は「日本経済にプラス」とし、
「目先は物価押し下げ要因だが、長い目では物価押し上げ要因」
と指摘した。