家計の6割が消費増税で「支出抑制」、多くが現在も継続=日銀調査

日銀が2日発表した3月の「生活意識に関する
アンケート調査」(第61回)によると、昨年4月の
消費税率引き上げ後に6割の家計が支出を控え、
そのうち75%が現在も支出抑制を続けていることが
わかった。

消費税率引き上げの家計への影響調査は、消費増税から
1年程度が経過したタイミングで、特別に初めて実施した。

それによると、消費増税後の支出の変化に対する問いについて
「支出を控えた」、「支出をやや控えた」との回答が合計で59.8%と
全体の6割に達した。

このうち、影響の長さでは75.3%が「現在(冬)でも
なお支出を控えている」と回答。

多くの家計で、増税後の支出抑制が
続いている実態が浮かび上がる。

増税後に支出を控えた理由(複数回答可)では
「物やサービスの値段が上がったから」が82.1%に達し、
次いで「収入が減ったから」が36.4%。

「消費税率引き上げ前に前倒しで
支出したから」との回答は13.4%だった。

また、定例で調査している景況感については、
1年前と比べて「良くなった」との回答が増加し、
「悪くなった」との回答が減少したため、
景況感DIはマイナス24.6と4四半期ぶりに改善した。

前回12月調査はマイナス32.9だった。

1年前と比べて収入が「増えた」との回答から
「減った」との回答を引いた収入DIはマイナス28.1に改善。

調査開始以降で最もマイナス幅が縮小した。

日銀が家計のインフレ予想を見る上で重視している
物価観に関しては、1年後に物価が「上がる」との回答が
81.6%となり、前回調査の80.8%から増加。

一方、5年後に「上がる」との回答は83.9%で、
前回の84.3%から小幅減少した。

先行きの物価動向については、1年後の
平均値が4.8%上昇、中央値が3.0%上昇。

5年後の毎年の変化率は平均値で4.0%上昇、
中央値で2.5%上昇となり、いずれも大きな変化は
見られなかった。

調査は2月6日から3月5日にかけて、
20歳以上の個人4000人を対象に実施。

有効回答者は55.6%の2223人だった。