ギリシャ債務交渉仕切り直し、IMFには月末の一括返済を要請

ギリシャは、5日に期限を迎えるはずだった国際通貨基金
IMF)への融資返済について、月内に期限を迎える
その他返済分と合わせ、今月30日に一括返済することを
要請した。

チプラス首相は国際債権団から求められている
改革をめぐって国内の支持者から激しい突き上げを
受けており、ギリシャ債務交渉は仕切り直しとなる。

IMFによると、ギリシャは6月に期限を
迎える4件の返済を1つにまとめる計画。

このため、30日が期限となる
返済総額は16億ユーロとなる。

チプラス首相は返済の意思と能力があると
強調していたが、ギリシャがユーロ圏と
IMFによる総額2400億ユーロの支援
プログラムに関して返済を遅らせたのは初めてだ。

ギリシャ当局者によると、チプラス首相とメルケル独首相、
オランド仏大統領は4日遅く、電話会談を行った。

チプラス首相は独仏首脳に対し、債権団の提案は
これまでの協議内容が反映されていないため合意の
基礎にはならないと伝えたという。

この当局者は近いうちの合意に
楽観的だと付け加えた。

チプラス首相はブリュッセルで行われた欧州連合
EU)当局者との深夜に及んだ交渉から帰国し、
議会への説明に追われる見通しだ。

ギリシャ当局者によると、首相は閣僚に対し、
「極端な提案は受け入れない」と宣言し、
債権団はギリシャ国民が十分苦しんだことを
理解すべきだと語ったという。

首相は5日1500GMT(日本時間6日午前0時00分)に
交渉状況を議会に説明する予定だ。

首相は債権団との合意が近いとしていたが、
年金削減や電気料金引き上げ要求を拒否。

関係筋によると、債権団はギリシャに国有資産売却や
労働市場改革の継続を求めているが、これには
ギリシャ与党が反発している。

EU筋によると、チプラス首相は5日夜もしくは
6日にもブリュッセルに戻り、債権団と
再び交渉する可能性もある。

メルケル独首相は、ギリシャと国際債権団との
交渉について、妥結のメドは立っていない
との見方を示した。

7日からドイツで主要7カ国(G7)首脳会議
(サミット)が開催されるが、メルケル首相の
報道官によると、チプラス首相は招待されていない
という。