米利上げ、来年上期まで先送りを=IMF年次審査報告
国際通貨基金(IMF)は4日、
米国に関する年次審査報告を公表した。
賃金の伸びやインフレに加速の兆候が表れる
2016年上期まで、米連邦準備理事会(FRB)は
利上げを先送りするよう提言した。
IMFは「マクロ経済予測に基づくと、成長や
インフレへの上振れサプライズがなければ、
利上げは2016年上期にかけてとなる」と指摘。
FRBが注目している個人消費支出(PCE)価格指数の
上昇率がFRB目標の2%に達するのは、2017年半ばと
予想する。
IMFは「利上げ時期が遅くなれば、開始後の
利上げペースが速まり、インフレがFRBの
中期目標をやや上回る可能性も出てくる」と分析。
だが利上げを遅らせれば、ディスインフレや
ゼロ金利政策への後戻りのリスクを回避するための
貴重な備えを提供するとした。
長期間のゼロ金利で利回り追求の動きが
出ているとしたが、一部でぜい弱性が
見受けられるものの、広範には及んでいない
と指摘した。
金融安定監督評議会(FSOC)に関係する
すべての当局に対し、金融安定の責務を
具体的に定めるよう呼び掛けた。