米FOMC声明「経済は緩やかに拡大」、年内利上げの公算強まる

米連邦準備理事会(FRB)は17日公表した
連邦公開市場委員会FOMC)声明で、米経済は
厳冬の影響から緩やかに持ち直しており、年内利上げに
耐えるほど力強い公算が大きいとの認識を示した。

ただイエレン議長は会見で、労働市場
回復程度に一定の懸念を示した。

同時に公表された経済見通しで、今年の
国内総生産GDP)伸び率が最大2%に
なることが見込まれる中、FOMC声明は
年内に少なくとも1度、もしくは2度の
利上げを実施する可能性を示唆した。

一方、イエレン議長はFOMC後の会見で、
利上げがまだ確定していないことを強調。

労働市場の一段の回復にかかっていると述べた。

議長は、労働市場が改善し、現在の「抑制された
(賃金上昇)ペース」が上向くことを示す
「より決定的な証拠」を望む、と述べた。

FRBは早ければ今年9月の利上げ実施を視野に
入れつつあるように見えるが、イエレン議長は、
労働参加率がなお低く、パートタイム就業者が
高止まりしている現状を指摘。

「雇用市場の景気循環的なぜい弱さが一部で
残っている公算が大きいようだ」との認識を
示している。

議長発言を受けて、雇用指標への
注目度が一段と高まりそうだ。

経済見通しでは、2015年の成長率予想が
前回3月の2.3〜2.7%から、1.8〜2.0%に
下方修正された。

年初の景気減速を反映した。

2015年の成長予想を引き下げるのは
昨年12月以来2度目。

今年の失業率予想は5.2〜5.3%と、前回の
5.0〜5.2%から改善ペースが鈍る、と見込まれている。

先月の失業率は5.5%。

FRBはインフレ率について、なお低水準に
とどまっているものの、中期的には目標の
2%まで段階的に加速する、との見方を示した。

FOMC声明や経済見通し、議長会見を踏まると、
FRBは、年内残り4回のFOMCで1度、
もしくは2度の利上げを行うと見られる。