ユーロの初期加盟国で経済格差拡大、失望誘う結果に=ECB

欧州中央銀行(ECB)は29日、ユーロ圏について、
財務基盤が弱い加盟国が単一通貨の採用により
徐々に追いついていくという前提に反して、
ユーロの創設メンバー間に経済的な格差が
生じるという「失望を誘う」結果になっている
との見方を示した。

ECBは経済報告書で、途中からユーロに加わった
中欧の国々は著しい成長を見せているものの、
創設当時からの加盟国の一部は以前からのぜい弱な
制度的枠組みに執着していると指摘。

「ユーロ創設当初の12カ国による真の一体化を
目指した歩みは、失望を誘うものだった」とした。

さらに「過去15年以上にわたり、ユーロの
初期加盟国の中で比較的収入の低い(スペインや
ポルトガルなどの)国では平均収入との差が縮まらず、
むしろ(ギリシャなど)差が拡大している国も
あることを考えれば、加盟国の間で経済的格差が
生じていることを示す証拠はある」と説明。

「その上、当初は高収入国だったイタリアは
パフォーマンスが最悪となり、高収入の加盟国の
間でも著しい差が生じていることが分かる」とした。

ECBは、ユーロの初期加盟国は早期に改革努力を
放棄してしまい、生産性を向上させていくことが
できなかったとも指摘した。