最近の市場の混乱、リスク波及の速さ象徴=IMF専務理事

国際通貨基金IMF)のラガルド専務理事は2日、
最近の世界的な金融市場の混乱は、いかにリスクが
急速に他国に波及するかを物語っていると指摘した。

講演で「過去数週間の出来事は、いかにアジアが
世界経済の中核を占めるか、またアジアの1市場の
混乱が世界に波及するかを示している」と述べた。

また、世界経済は中国のリバランスや日本経済の減速、
商品価格の下落、米金利上昇をめぐる不透明感による
逆風に直面しているとの認識を示した。

政策は各国の状況に合わせて設定される必要があるが、
多くの場合は堅実な財政政策、過度の信用拡大の抑制、
為替相場の調整で衝撃を吸収したり、外貨準備を
十分な水準に維持することが重要になると指摘した。

専務理事は「とりわけ革新的なプロダクトが存在する際、
当局や監督者は常に警戒していなければならない。従来の
銀行システム内であれ、混乱を招くような銀行システム内、
あるいはシャドーバンキングシステム内であれ、リスクは
監視下に置かれる必要がある」と述べた。

また、中国主導で設立協定が結ばれたアジアインフラ投資銀行
(AIIB)やアジア開発銀行世界銀行などの国際機関は、
地域の大規模なインフラ資金需要を満たすために協力すべき、
との考えを示した。