日銀が初のマイナス金利導入
日銀は29日の金融政策決定会合でマイナス金利を
導入する追加金融緩和を決定するとともに、
年間約80兆円のペースでマネタリーベースと
長期国債の保有残高を増加させるこれまでの
方針は維持した。
ETF(上場投資信託)やREIT
(不動産投資信託)の買入額も据え置いた。
日銀は今後、量・質・金利の「3つの次元」の
緩和手段を駆使して金融緩和を進める、としている。
マイナス金利の導入の狙いは「イールドカーブの
起点を引き下げ、大規模な長期国債買い入れと合わせて、
金利全般により強い下押し圧力を加えていく」ことにより、
「3つの次元の緩和手段を駆使して、物価2%の早期実現を
図る」と説明した。
さらに、今後も必要があれば、マイナス金利幅を
さらに拡大させていく方針としている。
マイナス金利は、日銀当座預金に
マイナス0.1%の金利をつける。
2月16日から始まる準備預金の
積み期間から適用する。
具体的には、日銀当座預金を3つの階層に分け、
それぞれに異なった金利をつける。
量的・質的金融緩和(QQE)のもとで各金融機関が
積み上げた分については、「基礎残高」として
これまで通りプラス0.1%の金利を適用し、
所要準備額に相当する残高などは「マクロ加算残高」
として適用金利をゼロ%とする。
さらに、各金融機関の当座預金残高のうち上記を
上回る部分を「政策金利残高」とし、
マイナス0.1%の金利を適用する。
なお、金融機関の現金保有によってマイナス金利の
効果が減殺されることを防ぐため、保有額が大きく
増加した場合には「マクロ加算残高」から控除するもの。
マイナス金利のもとでの長期国債買入については、
下限金利を設けずにマイナス0.1%を下回る金利での
購入も行う。
今回のマイナス金利の導入には
9人の政策委員のうち5人が賛成。
反対票を投じたのは、白井さゆり、石田浩二、
佐藤健裕、木内登英の4人の審議委員。
マイナス金利は欧州の複数の国々で
採用されているが、日本では初めてとなる。