最近の市場変動は世界経済反映してない、為替安定が重要=麻生財務相

麻生太郎財務相黒田東彦日銀総裁は27日夜、上海で
開催されていた20カ国・地域(G20財務相中央銀行
総裁会議の終了後に共同で記者会見した。
麻生財務相は今回のG20で、最近の市場変動は、世界経済の
ファンダメンタルズを反映していないとの認識で一致した
と語った。
また、黒田日銀総裁は、マイナス金利付き量的・質的金融緩和
(QQE)は金利面で効果が現れているとG20で説明し、
参加国から十分な理解を得られたと述べた。
年明け以降、急速に国際金融市場が不安定化する中で
開かれた今回のG20では、市場安定に向けた各国の
協調に注目が集まった。
会議終了後に発表された共同声明では、均衡の取れた成長や
市場の安定に向け、財政を含めたあらゆる政策手段を
動員することを明記。
麻生財務相は「最近の市場変動は、世界経済の現在の
ファンダメンタルズを反映したものではないとの認識で
一致した」と指摘。
経済の下方リスクが顕在化した場合には「G20各国は
これに対処する意志と能力を持ち合わせていることを
明確にした」と語った。
声明では為替について「過度の変動や無秩序な動きは、
経済及び金融の安定に対して悪影響を与える」と
改めて指摘。
為替市場に関して「緊密に協議する」とし、通貨の競争的な
切り下げを回避することや「競争力のために為替レートを
目標とはしない」ことを再確認した。
この点について麻生財務相は「為替レートの安定が重要との
認識を示すもの」との見解を示した。
また、黒田総裁は、G20各国に対して1月に導入したマイナス
金利付きQQEについて説明。
「あくまでも物価安定目標の早期実現」が目的であり、
すでに国債や金融機関の貸し出しの金利が低下するなど
金利面では効果が表れている」と発言し、「参加国から
十分な理解が得られた」と語った。