チャイナリスク、なお継続か

今週の為替相場は、円の上振れに要注意だと考えています。

世界的な株安や原油安、安部首相の介入に
否定的な発言を受けて、円買いが進みましたが、
その後、原油価格が上昇に転じたことや株価が
反転したこと、麻生財務相が急激な円の上昇を
牽制する発言を行ったことなどから、円は対ドルで
109円台後半に下落する動きとなりました。

しかし、同水準では円を買う動きも強く、
ドルの上昇は厳しい状況となりました。

さらに、前週末に発表された今年1〜3月期の
中国のGDPが6.7%増と予想を下回ったこと、
原油価格が下落したこと、株価が下落した
ことなどを受けて、円を買い戻す動きが出て、
円は対ドルで108円台に上昇しました。

さらに、対ユーロでは122円台に上昇するなど、
ドル以外でも円の上昇が目立ってきました。

FRBが米国の経済について、慎重な姿勢で
あることが確認されていることで、ドルを
買い戻す動きは少なくなっています。

欧州では、ECB理事会が注目されます。

追加緩和について何らかの言及が
あるのか否か、注目したいと思います。

ユーロをはじめ、欧州通貨が対円で軟調な動きを
みせているので、この動きが止まるのかどうか、
見極めたいと思います。

欧州通貨で円が一段と上昇すれば、対ドルでも
円の上昇が強まるものと思われます。

この中、チャイナリスク
改めて意識されてきました。

中国政府の要人の発言は、中国経済
回復傾向にあると指摘していますが、
実際に発表された指標は事前予想を
下回っています。

中国の経済指標はゲタを履かせた数字が多く、
正確性は以前から疑問視されていましたが、
足元の数字は政府要人が言うほどの数字でないことは、
中国経済の実態は悪いのではないかと考えられます。

市場は、中国経済については懐疑的な見方を
強めていたのですが、それが確信に変わりつつ
あるのではないかと思います。

チャイナリスクは、今後の金融市場、為替市場にとって
大きな材料になる可能性が強まってきたと思います。

また、日本では九州地方での大震災が金融市場、
為替市場に与える影響、あるいは日本経済に
与える影響が気掛かりです。

今週は、日本の産業にとって大事な地域なので、
生産が止まると、日本経済にとって大きな影響を
与えることが考えられるので、今後の動きを
注視したいと思います。

予想レンジは、
ドル円が104.20〜110.20円、
ユーロ円が117.20〜124.20円、
英ポンド円が149.20〜156.20円、
ドル円が78.20〜86.20円。