英国のEU離脱ショック、解消か?

今週の為替相場は、英国のEU離脱ショックが解消された状態で、
今後の英国の対応、EUの対応を見極める展開になりそうです。

英国がEUから離脱したショックは、先行きの見通せない
不透明感が前面に出て、英ポンド売り、ユーロ売りが
一気に強まりました。

英国の不動産市場に対する不透明感や、イタリアの金融機関の
経営問題なども加わって、欧州に対する不安感が欧州通貨売りが
強まりました。

英国では、次期首相は9月まで決まらないと見られていましたが、
次期首相が予想外の早さで決まりました。

英国のEU離脱に向けた陣容も整い、先行きの不透明感は
残るものの、あとはEU離脱に向けた交渉の行方に関心が
集まると思います。

為替市場は、これまでの不透明感から、英ポンド売り、
ユーロ売りが強まっていましたが、とりあえず、
これまでの欧州を取り巻く不安材料が払拭された感が
あります。

英ポンドも、ユーロも大きく売られた水準から切り返しました。

ドル円も、一時の100円接近の水準から105円を
上回る水準まで、円が下落しています。

これまでのリスク回避の円高は終わった
という面があるのではないかとも考えます。

ただ、これから英国ではEU離脱に向けた動きが出てきます。

また、実際にEUから離脱したことによる英国のマイナス面が
どのような形で表れるのか、注目したいと思います。

日本では、日銀の金融緩和策に対する期待感が出ていますが、
株高円安が進んだことで、新たな緩和策を打ち出す必要が
なくなる可能性もあります。

米国では、欧州が落ち着くのなら、再度利上げの思惑が
広がってくるのではないかと思います。

つまり、米国は利上げ、日本は据え置きが予想され、
金利差を意識する動きが出る可能性もあります。

これまで、リスク回避の円高が進んできただけに、
その揺り戻しが出ることには注意が必要だと考えます。

とは言え、英国がEUから離脱する衝撃は、
まだまだ続くものと見ています。

英国発の材料、欧州発の材料、あるいは高官発言、
経済指標など、材料は目白押しです。

きっかけ一つで、金融市場が大荒れになる
可能性は大きいと考えます。

英国のEU離脱時期を巡り、波乱が起きる可能性が
あることには注意が必要だと思います。

不安材料は何も解決していないことを
強く意識したいと思います。

英国では、旅行会社が倒産した話が出てきたり、
フランスのニースではテロと見られる動きが出て、
84人が亡くなり、多数の負傷者が出ています。

また、トルコでは軍がクーデターを
起こしたとの報道が流れています。

まだまだ、落ち着きを見せていない状態です。

予断は許さない、そんな動きがあるなかで、
金融市場が安定したと言うのは、
早計なのかも知れません。

緊張感を持って、状況を見極めたいと思います。

予想レンジは、
ドル円が100.20〜106.20円、
ユーロ円が112.20〜118.20円、
英ポンド円が134.20〜142.20円、
ドル円が76.20〜82.20円。