なおレンジ圏で推移か

今週の為替相場は、レンジ圏での推移が予想されます。

注目されていたイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)の
ジャクソンホールでの講演は、9月下旬の利上げを滲ませる
ものとなりました。

市場は、9月下旬の利上げは難しいと見ていただけに、
やや意外感があり、ドルが対主要通貨で上昇する動きが
見られています。

この発言が出るまでは、9月の利上げは遠退いた
との見方が強まっていただけに、ドルの上昇は
鈍いと思います。

これまで、国際金融市場の動揺や米経済の
予想外の低迷などを材料に、米国の利上げが
先送りされた動きがありました。

米国の利上げについては、緩やかな利上げを行う、
との指摘が多く出ていました。

今年始めには、年数回の利上げの可能性が
指摘されていましたが、それを外されてきたわけで、
追加利上げの可能性が強まっているのにドルの上昇が
鈍いのは、それなりにドルの不安感があるからではないか、
とも考えられます。

また、この夏もイスラム国のテロが各地で
起こりましたが、リオ・オリンピックの
歓声に隠れた形となりました。

しかし、大規模なテロだけでなく、本当に
小規模なテロが色々な場所で起きているのです。

こうした動きが、ますます強まる可能性があります。

大規模なテロに目を奪われ勝ちですが、世界中の
どこでもテロが起こる現実を意識した場合、国際的な
不安感は一段と広がるものとなります。

米利上げはドル買い材料になりますが、
テロの複雑化はドル売り材料になると思います。

また、米国では大統領選挙の真っ最中です。

内向きの米国を志向するトランプ候補の発言が
伝えらると、ドルにとっては弱材料になると思います。

トランプ候補の発言を受けて、クリントン候補も
内向きの米国を一部志向する発言も行っています。

これが米国の国際的な影響力の減少に繋がると考えます。

米国に対する不安感が、ドルの足枷になると思います。

それが、最近のドル相場の足取りに
表れているのではないでしょうか。

まずは、今週末発表される米雇用統計の
中身を見極めたいと考えています。

この数字次第では、利上げの確度が
決まるのではないでしょうか。

予想レンジは、
ドル円が97.20〜104.20円、
ユーロ円が128.20〜115.20円、
英ポンド円が128.20〜135.20円、
ドル円が73.20〜80.20円。