日米の金融政策材料視も、意外に動き鈍いか

今週の為替相場は、日米の金融政策を
見極める展開が予想されます。

米国の利上げがあるのか、日本の追加緩和はあるのか、
この夏場以降、材料視されていた一応の回答が、
21日に出るわけです。

最近発表された米経済指標では、米FRBが想定する数字が出ず、
利上げは見送られるのではないか、との見方も市場では少なくないようです。

米経済指標が、利上げを行う磐石な材料になっていない、
そんな発言がFRB幹部から聞かれていることも、米国の
金融政策に対する確証が得られていない、そんな見方に
繋がっているようです。

米国の利上げについては、何度も織り込んでいます。

逆に、利上げは遠退いたとの見方も
何度も織り込んでいます。

結果として、ドル円相場は102円付近での
動きに落ち着いているわけです。

一方、日銀の金融政策については、追加緩和が
実施されるとの見方が強まってきました。

金融緩和を行ってきた結果について、日銀の判断を
披露するとしていることからも、金融緩和は
間違いなかったことを実証するためにも、
追加緩和を行うとの声が出ています。

米国が利上げ、日銀は追加緩和となると、
日米金利差拡大で、ドル買い・円売り。

米国が金利を据え置き、日本が追加緩和では、
日米金利差拡大でドル買い・円売り。

米国が金利据え置き、日本が追加緩和を行わないとなると、
日米金利差は変わらずで、ドル円相場は動かない
ということになります。

金利差を意識すれば、ドルが買われても
おかしくないのですが、ドルの弱さが
目立っているのが最近の為替相場です。

金利差では、ドルが買われない要因が
何かあるのだと考えます。

それが米大統領選挙だと思います。

クリントン氏の政治姿勢について、懐疑的な見方が
増えていますが、トランプ氏に比べれば、まだまし、
そんな評価に繋がっているようです。

間違えても、米国民はトランプ氏を大統領には
選ばれない、そんな国際世論では強まっていました。

しかし、最近になって、あり得ないと思われていた
トランプ氏が米大統領になる可能性があるのではないか、
そんな思惑が広がり始めています。

クリントン氏の健康問題もありますが、クリントン氏の
政治手法に対する米国民の批判が根強いことが意識されているのです。

強い米国を標榜するトランプ氏に対する米国民の
潜在的な支持が広がっているような感じがしています。

これは、世界で何でも一位だったかつての米国を
取り戻したいとする米国民の強い思いは、米国民にしか
わからないのです。

トランプ氏が大統領に当選すれば、
世界の秩序が混乱する可能性があります。

万が一に備え、手放しでドルを買えない、
そんな雰囲気が国際金融市場に広がっている
ような感じがします。

予想レンジは、
ドル円が98.20〜105.20円、
ユーロ円が110.20〜116.20円、
英ポンド円が128.20〜134.20円、
ドル円が72.20〜78.20円。