ドルの上値メド、模索の動きに

今週の為替相場は、ドルの上値メドを
模索する動きが予想されます。

トランプ氏が米大統領に当選して、経済政策等の発言が
出てくる中で、米経済を上向かせる方策を考えていることが
明らかになり、米長期金利は上昇に転じています。

米国の経済を回復する手立てをトランプ氏がとる可能性が
強まっていることで、米金利の上昇も容認する可能性が
強まってきました。

当初、トランプ氏は、米FRBの金融政策に反対する姿勢を示し、
金利は低位安定が望ましいと指摘していることがありました。

しかし、大統領選挙に当選した途端、米経済の力強い回復を
目的とすること示したことが、FRBの利上げを肯定するような発言と
受け取る声も聞かれました。

当初は、トランプ大統領になると、米国の利上げは難しいとの
思惑も出ていましたが、このトランプ氏の経済優先の発言を受けて、
イエレンFRB議長は講演で、12月の利上げの確度が高まった
との発言を行いました。

金融市場は、トランプ氏の発言と相まって、12月の
米利上げの確度はかなり高まったとの見方が広がりました。

為替市場では、トランプ氏が米国の経済底上げに向けて
積極的な政策を打ち出すとの見方や、米国の金利上昇も
容認しているとの見方から、ドル買いが強まり、
ドル円は110円台にドルが上昇しました。

この流れが続くの否か、市場は関心を集めています。

しかし、ドル買いは短期的に急激でしたが、
まだ日が浅いことで、ドルの上昇余地は
大きいと考えます。

米国の利上げを巡って、さらなるドル買いが
強まることが予想され、その場合115円が壁になる
とは考えにくいと思います。

ただ、安易なドル高・円安について、警戒発言が
出ていたように、そんなに単純なものにはならない
と思います。

トランプ氏は、米経済の回復のためには、
不本意なドル高は望んでいないと思います。

財務省も、為替操作国として日本に対応しているように、
日本が円安を放置するようなことは容認しないと思います。

日本は、アベノミクスが尻すぼみとなっている中で、
円安・株高が進展していることは、望んでいることだ
と思います。

日本が何らかの行動を起こして、円安・株高と
なっていないので、これをきっかけに輸出の増加、
内需の拡大を図りたいと考えていると考えます。

とは言え、日本が何もしないことで、円安を
見逃すことは、許されないことだと思います。

G7声明でも、過度な自国通貨安を放置することは
認められないと考えます。

トランプ氏が大統領選挙で当選したことで、
金融市場の秩序が大きく崩れていると思います。

欧州でも、トランプ氏が当選したことで、来年国政選挙が
予定されている欧州各国の不安定な動きが助長されるのでは
ないかと毛県する動きが出ています。

これが、欧州通貨の軟調な動きに繋がっているのです。


米ドルだけが、トランプ氏の大統領選挙当選で、買われる通貨になっているのです。

これが、最近の主要通貨の動きになっているのです。

この動きは、まだまだ続きそうです。

相場として「若い」、そんな印象を持っているので、
110円台は通過点ということになりそうです。

問題は、このドル高を米国の現政権、大統領に就任する予定の
トランプ氏が容認するのでしょうか。

12月の米国の利上げまでの間、ドル独歩高を米国をはじめ、
各国がどのように評価するのか、見極めたいと考えます。

予想レンジは、
ドル円が104.20〜114.20円、
ユーロ円が112.2-〜120.20円、
英ポンド円が132.20〜140.20円、
ドル円が74.20〜84.20円。