円、米国・欧州睨みで底堅い動きか

今週の為替相場は、円が底堅い動きを継続か。

米国の早期利上げ観測を背景に、ドルが底堅い動きを
見せていましたが、トランプ政権の高官の更迭や後任人事が
なかなか決まらないこと、早期の米国利上げは間違いない
との見方が根強いものの、その時期が確定しにくいことを
要因にドル買いも一時的にとどまりました。

一方、欧州では各国の政治情勢が不安定になっていることや、
ギリシャの経済情勢の不透明感が強まっていることなど、
米国・欧州情勢の不透明感が増して、リスク回避の円買いが
強まる可能性が出ています。

とは言え、米国の今年6月(3月、5月、6月)までの利上げは
間違いないとの見方が強まっています。

やはり日米金利差拡大は、ドル買い・円売りの材料になるのは
間違いなく、円買いだけで強気に押せることにはならないと
考えています。

今まで以上に、米利上げの時期を巡る思惑が強まるものと思います。

米利上げが近いとなると、そこはドル買いで
反応するのではないかと思います。

また、トランプ大統領を巡る米国の混乱は、余程の重大事態、
どこかの国と戦争状態に入るようなことがなければ、
材料視されないような感じがします。

馴れは恐ろしいもので、米国は分断されていて
当たり前との見方が強まっているような感じがします。

これに対し、欧州情勢は深刻です。

右派が台頭している動きがとても気掛かりです。

欧州各国の選挙で、右派が台頭するようなことになれば、
統一欧州の枠組みが壊れるかも知れないという、緊張感が
高まる可能性があります。

その場合、ユーロや英ポンドが大きく下落する
可能性があることには注意が必要だと思います。

また、金正男氏がマレーシアで殺害されたことの影響も気掛かりです。

誰が、何の目的で殺害したのか、今のところは
具体的な事実が明らかにされていません。

殺害犯の女性二人は拘束され、最新情報では、
北朝鮮籍の男性一人が拘束されたようです。

北朝鮮が殺害したことが明らかにされた場合、
北朝鮮が暴発する可能性があります。

北朝鮮は殺害を否定するでしょうし、マレーシアも
北朝鮮が殺害の背後にいたという結論は出さないと思います。

マレーシアと北朝鮮の親密な関係から、
北朝鮮の犯罪とは認めないでしょう。

中国をはじめ、北東アジアの国々も、北朝鮮の暴発を
避けるためにうやむやにすることを望んでいると思います。

この殺害事件で、北東アジアに動揺が起こることは
各国の思いで避けられるのではないかと思います。

何か新しい事実が分かれば、北東アジアの緊張が
一気に強まる可能性があり、その場合には金融市場が
動揺することもあり、引き続き注意する必要があると
考えています。

予想レンジは、
ドル円が110.20〜115.20円、
ユーロ円が116.20〜123.20円、
英ポンド円が136.20〜143.20円、
ドル円が82.20〜88.20円。