米利上げはほぼ織り込み

今週の為替相場は、米国の利上げをほぼ織り込んでいる中で、
ドルがどこまで買い進められるのかが注目されます。

米国の利上げについては、当初は3月の利上げは難しいとの見方が
出ていましたが、イエレン米FRB議長の発言で、足元の利上げの
可能性の確率が高まっていました。

発表された米雇用統計では、新規雇用が大幅に増加し、失業率も
改善したことで、利上げを待つ必要はないのではないか、との見方も
強まり、今週の利上げは既定路線との声も上がるほどでした。

FRBは先に、今年の利上げは3回程度と指摘しており、
あと2回をいつやるのかが注目されています。

今回のFOMC後のFRB議長の記者会見で、その時期を
示唆するのか否かを注視したいと思います。

これまでの利上げを巡る思惑が交錯する中で、
徐々に米国の利上げは織り込まれている状態です。

利上げを材料にしたドルの上値は、対円で115.50円付近で
終わったのか、利上げをスタートにして、どこまでドルが
上昇するのか、なかなか見極めにくいところです。

本来なら、米国の利上げをスタートにして、
さらなるドルの上昇を予想するのが常識だと思います。

また、米国は追加利上げの可能性が強い一方、
日本などは緩和策の継続が予想されることで、
ドル高傾向は続くのではないかと考えています。

ただ、これまで米国の利上げは何度も織り込んできました。

その中で、さらにドルを買い上げることが出来るのか、懐疑的です。

また、トランプ大統領が米国ファーストを掲げる中で、
一段のドル高を許容するのでしょうか。

米国が貿易戦争を勝ち抜くためには、他国の通貨安政策を
攻撃するだけでは解決しません。

自らドル高を招来する政策をとっていては、米国からの
輸出を拡大することは難しいと思います。

この矛盾を、FRBに転嫁する可能性もあるのではないかと思うのです。

今回の利上げはともかく、今後の利上げ、あるいはドル高について、
何らかの意見を発信する可能性が強まるのではないかと考えます。

既に、自身のツイッターで、為替相場がドル安に動いた経験を
していることで、どうすれば、米国にとって都合の良い為替相場
作れるかはわかっていると思います。

ただ、今週は、米国の利上げでどこまでドルを
買い上げることが出来るのかが注目されます。

いままでの経緯からみて、一気に120円を
超えるようなドル高は想定しにくいと思います。

一方、欧州では、各国の選挙が気掛かりです。

極右派の候補が善戦していることで、ユーロを
買うのは難しい状況です。

逆に極右派が勢いを減らして来れば、ユーロ買いが
強まる可能性が出てくると思います。

各国の選挙動向を睨んで、ユーロは一進一退とみています。

円は相変わらず蚊帳の外です。

本当なら、安倍政権の去就を巡る大変な状況にあると
思うのですが、米国、欧州睨みの動きがまだまだ続きそうです。

予想レンジは、
ドル円が112.20〜118.20円、
ユーロ円が118.20〜124.20円、
英ポンド円が136.20〜142.20円、
ドル円が83.20〜89.20円。