リスク回避の動き、なお継続か

今週の為替相場は、地政学的なリスクが強まる中で、
リスク回避の円買いの動きが、なお継続する可能性が
強いとみられます。

シリアへの米国のミサイル攻撃に続き、北朝鮮
米国の緊張感の高まりで、為替市場では、リスク回避の
動きが継続しています。

北朝鮮では、様々な記念日が控えている中で、
16日には再びミサイルが発射されました。

結果は失敗との声が出ていますが、ミサイル発射や
核実験を行えば、米国が武力攻撃をするとの見方が
依然として払拭されていません。

北朝鮮は、米国の意向を無視する格好でミサイル発射に
踏み切ったわけで、そのっ結果についてはかなりの覚悟を
もっているとも見られます。

米国がちょっとでも、北朝鮮を攻撃する姿勢を見せた場合には、
北朝鮮からの先制攻撃がないとは思えない状況になっています。

逆に、そうした緊張感を強めることで、北朝鮮
保有国であることを世界中に知らしめる
ことに注力している可能性もあります。

米国としても、拳を振り上げたものの、その落としどころに
迷っている可能性もあります。

北朝鮮に対する制裁を口にしたものの、その場合の影響が
どの程度かをまだ決められるものではないと考えます。

中国やロシア、あるいは世界中から米国の姿勢に関心が
集まっている分、シリアのような攻撃は米国には難しいと思います。

もちろん、空母部隊に対して、北朝鮮から攻撃があったり、
韓国、あるいは日本に対するミサイル発射、攻撃があった場合には、
即座に反撃に出ると考えますが、今はまだその動きは考えにくい状況です。

金融市場は、その可能性をゼロとは見ておらず、その動きが
為替市場でのドル安・円高につながっていると思います。

もちろん、実際に日本に対する攻撃があった場合には、
円を買うことはできないと思います。

万が一そのような動きがあったら、一気に円が10円を超える
急激な円安となる可能性があることには留意したいと思います。

ただ、米国、北朝鮮とともに言葉ほど、緊張感は少ないのでは
ないかとも考えます。

米国、「北朝鮮ともに、相手の譲歩を誘う、ジャブを
打ち合っている状態だと思います。

この中、米国からはペンス副大統領が訪韓、訪日します。

もちろん、喜多町情勢を巡る話し合いが大きな目的だと
思いますが、日本とは日米経済対話のために来日する
ものと考えています。

日米二国間の貿易交渉のための対日になるわけです。

日米首脳は、度重なる会合で、首脳間の信頼を構築することは
出来ましたが、貿易問題は別物です。

トランプ大統領にとって、米国が利益を得ることが出来る
日米間の貿易交渉を構築するために、満を持して、
ペンス副大統領を訪日させたわけなので、米国としては
日本からお土産を得たい気持ちがあるのです。

もちろん、為替相場の問題も、それなりの回答を
得たいと考えているようです。

中国との間では、為替操作国に認定を見送りましたが、
これは北朝鮮問題で中国の役割をきたしてのことだと思います。

日本にはそうした役割を期待する材料がないだけに、
日米貿易問題で厳しい要求が出てくるのではないかと懸念しています。

米国からの要求が垣間見ることが出来た場面では、
円高・ドル安が進む可能性があることには要注意です。

一方、欧州では、フランスの大統領選挙で
極右候補が優勢が伝えれています。

その当選の可能性が強まった場合には、ユーロ圏に
大きな影響を与える可能性が強く、その場合には
ユーロが下落する可能性が否定できません。

ドル、ユーロとも円が上昇する可能性が
強い週になる可能性が出ています。

円が唯一下落する可能性があるのは、
米国と北朝鮮の先端が開かれることです。

その可能性は、小さいものと考えられる分、
リスク回避の円買いが強まることには注意が
必要だと思います。

予想レンジは、
ドル円が104.20〜112.20円、
ユーロ円が112.20〜118.20円、
英ポンド円が132.20〜138.20円、
ドル円が78.20〜84.20円。