ランプ氏から捜査中止圧力=コミー前米FBI長官

ロシア政府の米大統領選介入疑惑をめぐり、コミー前米連邦捜査局(FBI)長官は7日、
上院情報特別委員会での公聴会を前に同委に書面を提出し、トランプ大統領から
捜査打ち切りなどを求めて圧力をかけられたことを明らかにしました。

トランプ氏と1対1で計9回会話し、「忠誠が必要だ」、「暗雲を取り払ってほしい」
などと言われた経緯を詳細に綴っています。

コミー氏は8日、書面に基づいて公聴会で証言します。

書面はトランプ氏による司法妨害の疑いを深める内容で、
民主党内で弾劾論が拡大する可能性もあります。

書面によると、トランプ氏は就任1週間後の1月27日、コミー氏を夕食に招待し、
長官職にとどまりたいか質問し、既に留任は固まっていたため、意図に不安を
感じたコミー氏が自分は誰の味方でもないと伝えると、トランプ氏は「私には
忠誠が必要だ。忠誠を期待する」と語りました。

「ぎこちない沈黙」が続いた後、会話は別の話題になりましたが、夕食が終わりに
近づくと、トランプ氏は話題を元に戻し、「忠誠が必要だ」とたたみかけました。

コミー氏が「私はいつも誠実だ」とかわすと、トランプ氏は「望んでいたのはそれだ。
誠実な忠誠だ」と語ったとされています。

コミー氏はニューヨーク・タイムズ紙が先に報じた2月14日の会談の内容も詳述しています。

執務室で人払いをした後、トランプ氏が「フリン(前大統領補佐官)について
話したい」と切り出し、「彼はいいやつだ。ほっておいてくれることを望む」と
捜査打ち切りを求めた経緯を説明しました。

コミー氏は「大統領が捜査全体の話をしているとは受け止めなかったが、
FBIの独立性を考え、とても懸念を覚えた」と振り返っています。 

これに対し、トランプ米大統領が選任した外部弁護士のマーク・カソウィッツ氏は7日、
声明を発表し、コミー前連邦捜査局(FBI)長官の議会証言原稿で、大統領がロシアによる
米大統領選介入疑惑に関する捜査対象ではなかったことが確認され、大統領は満足していると
述べました。

同氏は「コミー氏が私的な書面でようやく、大統領がロシア疑惑を巡る捜査対象では
なかったと公に確認したことを大統領は喜んでいる」とした上で、「大統領は完全かつ
完璧に疑いが晴れたと感じている」と述べています。