米利上げ意識し、ドル底堅い動きか

今週の為替相場は、米国の利上げを意識し、
ドルが底堅い動きが予想されます。

足元で発表されている米経済指標や先のFOMCでも
12月の利上げについて前向きな発言が増えています。

市場では、年内の利上げの足取りは確かなものに
なったとの声が聞かれています。

また、次期FRB議長にはパウエル氏が決定し、
穏健派と言われるパウエル氏の起用に対し、
市場では安心感が広がっています。

こうした金融政策を巡る安心感があることで、
利上げを支えにドルは底堅い動きを演じることが
予想されています。

ただ、ECBは利上げに向けて歩み始めたほか、
英国では利上げを実施しました。

これまでは、米国だけが利上げを行っていたのですが、
欧州でも利上げに転じたことで、米欧の金利差拡大が
これまでほど材料視されない動きとなることが
予想されます。

金利差は、米欧では広がらないということになると、
金利差を材料にした対欧州通貨でのドル買いは
強くないのではないかと考えます。

この中、米国では貿易赤字の行方について
、何としても赤字を削減したいとの声が
強まっています。

今回のトランプ大統領の一連のアジア歴訪では、
米国の貿易赤字問題が大きなテーマと指摘する声が
聞かれています。

日本でも、中国でも、米国の貿易赤字問題が
話し合われるのではないかとみられています。

このためには、日本、中国からの対米輸出が
問題となるわけですが、対米輸出を削減する方法を
どのような形で見せることが出来るのか、
トランプ大統領の手腕が注目されます。

その時に気を付けたいのが、米国の
貿易赤字問題に出てくるのが為替相場の問題です。

対円、対人民元でのドルレートの操作が
指摘される可能性はゼロではない、
ということです。

米国はこれまでも、貿易赤字問題では
為替操作を主張して、赤字解消を
目指すことが考えられます。

これが出てくると、為替相場は否応なしに、
ドル安・円高、ドル安・人民元安ということに
なりそうです。

日本と、中国からの対米輸出を劇的に
抑制する措置、あるいは米国からの輸入を、
日本や中国が受け入れない限り、米国が
強硬な措置をとる可能性がある事には
注意したいと思います。

また、北朝鮮情勢も引き続き材料となりますが、
北朝鮮から太平洋上にミサイルが発射された
程度では大きな影響はないと考えます。

米国領や、米国を狙うようなミサイル発射が
ない限りは、大きな材料とはならないと思います。

北朝鮮問題が大きな材料となるのは、
部分的にも米国が北朝鮮を攻撃した場合です。

これに北朝鮮が反撃することになれば、
米国が参戦国となることで、有事のドル売りが
強まる可能性があります。

少なくとも、トランプ大統領がアジアにいる限り、
そのような事態は起こらないと考えますが、
軍事衝突の可能性は今まで以上に強まっていると
思います。

欧州では、スペインでの独立問題が、
他の地域に飛び火しないか否かが注目されます。

日本は、とりあえず衆院選挙で自民党
圧勝したことで、政策的には大きな変化が
ないので、引き続き外部要因に引き摺られる
動きが継続すると考えます。

予想レンジは、
ドル円は108.20〜116.20円、
ユーロ円は128.20〜136.20円、
英ポンド円が146.20円から152.20円、
ドル円が84.20〜92.20円。