ドル下押しに要注意

今週の為替相場は、ドルが下押されることに
注意が必要だと思います。

年末の為替相場は、非常に落ち着いた動きと
なりました。

112〜113円台の極めて狭いレンジで動意も
乏しい展開となりました。

この流れを受けて、新年の為替相場も今のところ、
大きな材料がない中で、一つずつの材料を
じっくり見極めていく展開が予想されます。

今週はまず、米国で雇用統計が発表されます。

失業率は変化がないようですが、非農業部門の
新規雇用者は20万人を割り込む予想となっています。

この程度の数字なら、為替相場には大きな影響は
ないのではないかと思います。

これが20万人を大きく割り込んだり、前月分が
下方修正されるようなことになれば、為替相場
影響を与えることも予想されますが、予想通りなら
ドル円相場は変化はないと考えています。

一方、ユーロ円はユーロが堅調な推移をすることを
予想しています。

欧州中銀が利上げに舵を切ったことで、これを反映した
動きが為替市場で強まるのではないかとみています。

ユーロは対ドルでも堅調な推移をすることが予想されます。

このユーロの動きに連動して、英ポンドも対円、
対ドルで底堅い動きをするのではないかとみています。

英ポンドの唯一の問題は、欧州圏離脱に伴う、
英国のマイナス作用です。

欧州圏の離脱が英国の経済、社会に与える影響が
少なくないということが鮮明になるような材料が
出てくれば、ユーロ高・英ポンド安という動きが
鮮明になるのではないかと思います。

これも、足元の話ではなく、3カ月ターム程度で
考えてみたいと思います。

この中、世界を見渡せば、北朝鮮情勢、
エルサレム問題に波及した中東情勢、
テロの脅威など、問題は何一つ解決していません。

何か一つでも爆発すれば、為替市場、金融市場に
とって大きな材料になることは必至です。

そのような材料を抱えながら、奇妙な均衡を
保つ動きが当面は続くのではないでしょうか。

まずは、米国の雇用統計を注目しながら、
ドルにとって不安材料がないことを確認する
動きが出てくると考えています。

予想レンジは、
ドル円が108.20〜114.20円、
ユーロ円は132.20〜138.20円、
英ポンド円が148.20〜155.20円、
ドル円が84.20〜90.20円。