米中貿易摩擦懸念が材料に

今週の為替相場は、米中貿易摩擦懸念が最大の材料と
なりそうです。

米中貿易摩擦懸念は、当初、米国が中国に対して
関税をかけたことに対し、中国が対抗措置をとったことで、
ドル売りが強まる動きが見られました。

その後、米政府高官が水面下で中国と折衝を行っている旨の
発言を行ったことから、米中貿易摩擦擦問題は解決されるとの
楽観的な見方が為替市場で広がり、ドルは一転買い戻される
展開となりました。

しかし、米国が中国に対し、追加関税をかけたことや、
これに対し中国が報復措置をとることを明言したことを受け、
再び米中貿易摩擦に対する懸念が広がることになりました。

さらに、前週末に発表された米雇用統計で、非農業部門の
新規雇用が事前予想を大幅に下回ったことを材料に、
ドルの上値が重い展開となりました。

こうした材料を睨んで、今週のドル相場は上値の重い
展開が予想されます。

ドルの上値の重さが確認されると、再び対円で105円、
104円とドルの下値余地をうかがう動きが予想されます。

この中、欧州では再びドイツで群衆に車が突っ込む事件が
起きています。

欧州でのテロの可能性が強まる可能性もあり、こうした不安が
ユーロだけではなく、為替市場に影響を与える可能性が
少ないとみています。

その場合、リスク回避の通貨は円とスイスフランです。

今週は、このような材料を睨みながら、リスク回避の
動きが鮮明となるのか否か、注目したいと思います。

日本では、防衛省の日報問題が大きく報道されています。

シビリアンコントロールの問題との声が上がっています。

もちろん、文民統制に反する行為を自衛隊が行っているのなら、
大きな問題だと思うのですが、どうも政権に対する忖度が
日報隠しの大きな要因なのではないかとも思われます。

本来なら、政権に対する大きなダメージなので、円も
無傷ではいられないのですが、日本発の問題は
まだ為替市場では大きな材料にはならないのではないか
と考えています。

内閣が総辞職するような事態にならない限り、
円はリスク回避の通貨としての地位を継続するのでは
ないかと思います。

予想レンジは、
ドル円が104.20〜108.20円、
ユーロ円が127.20〜133.20円、
英ポンド円が146.20〜152.20円、
ドル円が78.20〜84.20円。