ドルの上値の重さを確認へ

今週の為替相場は、ドルの上値の重さを
確認する展開が予想されます。

南北朝鮮の首脳会談前から、朝鮮半島での
地政学的リスクの払しょくが、ドルを
買う材料となっていました。

加えて、米長期金利が上昇したことを睨んで、
金利差のドル買いを意識する声が支配的と
なっています。

南北朝鮮の首脳会談は、予想以上に
親密ムードが高まりました。

朝鮮半島の統一はともかくとして、朝鮮戦争
終戦について南北朝鮮の意思が強まっていることや
朝鮮半島の非核化について、意見が一致したようです。

もちろん、北朝鮮保有する核兵器の廃棄については
具体的な話し合いはなく、非核化が何を指しているのか
疑問ですが、それでも朝鮮民族としての友好を世界中に
見せつけたことで、朝鮮半島の不透明感が一層クリアに
なりました。

為替市場では、朝鮮半島地政学的リスクに
ともすれば重きを置きすぎる面もありましたが、
地政学的リスクという霧が晴れたことは
間違いないようです。

加えて、米国では堅調な経済指標を受けて、
早期の利上げに対する警戒感が長期金利
上昇という形で表れています。

為替市場の一番大きな材料とみられる、金利差が
強く意識される動きとなっています。

ドルは、金利差の拡大を意識して堅調な動きを
続けています。

対円はもちろん、対欧州通貨など、対主要通貨で
堅調な展開となっています。

対円では、109円台に乗せ、さらなるドルの上値を
意識する展開となってきました。

こうしたドルにとっての好材料が重なる中で、
本来なら、対円で110円台を回復しても
おかしくないのですが、109円台後半では
ドルの上値は重いような印象を持っています。

109円台後半を抜けて、どのようなテンポで
110円台にドルが乗せるのか否か、大きなカギと
なりそうです。

109円台後半でのドルの上値の重さが意識されれば、
ドルが反転することも予想されます。

その場合も、金利差が意識されることになる
可能性が強く、ドルの底堅さが意識されることに
なりそうです。

まずは、米朝首脳会談を巡る米側の反応を
注目したいと考えています。

予想レンジは、
ドル円が104.20〜110.20円、
ユーロ円は128.20〜134.20円、
英ポンド円が146.20〜152.20円、
ドル円が78.20〜84.20円。