米朝会談の有無が材料に

今週の為替相場は、米朝会談が開催されるのか否かが
最大の材料になりそうです。

南北首脳会談が開催された後では、米朝首脳会談
成り行きが注目され、実際に会談が行われる可能性が
強まったことだけで、地政学的リスクが一気に
吹き飛ぶことになりました。

市場は、地政学的なリスクが解消したことで、
リスク回避の円買いから、リスク解消の円売りが
持ち込まれる展開となりました。

米国が、今後あと3回の利上げを年内に行うとの見方も、
ドル売り・円買いを加速させました。

しかし、米国と北朝鮮の欧州が始まり、トランプ大統領
6月12日の米朝会談を開催しないと述べると、一気に
リスク回避の動きが強まり、ドル円は一時108円台まで、
ドル安・円高が進む動きが出ました。

その後、トランプ大統領が6月12日の米朝会談の可能性を
指摘すると、再び、リスク解消の動きが出ましたが、
その動きも鈍く、ドル円は109円台で推移しています。

今週も、米朝首脳会談を巡る米国、北朝鮮のやり取りが
注目を集めるものと見られます。

米朝関係者は、首脳会談開催のために努力をしている
との報が流れており、米朝首脳会談は開催されると
読んだ方が、何もなくても安心感が広がると考えられます。

もちろん、その中身が注目されるのですが、これまでと
同様に、北朝鮮に踊らされる米国の様子が浮かんできます。

米国が主張する、完全な非核化、これは難しいと思います。

段階的な非核化に向けて、米朝間の交渉が始まる、
そんな思いで見ていた方が、良いような感じがします。

北朝鮮に手玉に取られるトランプ大統領
そんな図式が目に浮かびます。

それでも、米国と敵対している北朝鮮の態度が
和らげば、朝鮮半島を巡る緊張感はかなり後退する
と思います。

為替市場も、そうした米朝間の緊張緩和を睨んで、
地政学的なリスクはそれほど高まらない、
そんな感じがします。

とは言え、感情的に話す米朝首脳の動向を意識すれば、
地政学的リスクはいつ大きくなってもおかしくない、
そんな見方をしていることが必要だと思います。

6月12日の米朝首脳会談開催を控える中で、
何が起こるのか、注視したいと考えます。

予想レンジは、
ドル円が106.20〜112.20円、
ユーロ円が124.20〜132.20円、
英ポンド円が141.20〜157.20円、
ドル円が78.20〜84.20円。