ドル、上値は重い展開か

今週のドル円増場は、ドルの上値が
重い展開が予想されます。

米国では、9月の利上げ想定されており、
足元で発表された米雇用統計も利上げを
促す内容になりました。

引き続き、米国では利上げが大きな
材料になっています。

この中、米中貿易摩擦チキンレース
動きを一段と強めています。

米国が対中国で関税を上乗せすると、
中国も米国からの輸入品に関税を
同幅引き上げることを決めるなど、
米中の関税拡大競争は終わるところを
知りません。

市場は、基本は各国の金融政策を
見極める動きを見せていますが、
米国の利上げ政策は変更はありません。

この中、欧州では年内の利上げは
想定できませんが、来年には
利上げが実施される可能性が
強まっています。

英国では、足元で0.25%の利上げを
実施しましたが、EUからの離脱を
勘案すると、次の利上げは
想定しにくい展開となっています。

この中、超緩和策を継続すると
みられていた日本は、長期金利
小幅上昇を容認する姿勢を示しました。

これまで、日本は超緩和策の変更は
ないとの見方が支配的でしたが、
超緩和策がもたらす弊害が大きくなって
きたことで、日銀としてもある程度の
長期金利の上昇を容認する姿勢に
変更したわけです。

もちろん、これで超緩和策が終焉する
というわけではありません。

超緩和策の長期化がわが国の金融機関の
経営に悪影響を与えていることで、
それを何とかしたいという苦肉の策
との見方が支配的です。

とは言え、これまで日本の金利
動かないとみられていた分だけ、
金融市場、為替市場に与える影響は
少なくなく、この動きが、ドル上昇の
抑制要因になる可能性もあります。

この中で、米朝の貿易問題を巡る緊張は、
一段と強まっている状態です。

加えて、イランと米国との対立の
構図も一段と強まっています。

ホルムズ海峡を巡るイランと米国の
緊張がさらに増すと、リスク回避の
動きが一段と強まる可能性は
否定できないと思います。

こうした、金利を巡る動き、
米朝貿易問題、イランと米国の対立など、
材料には事欠かない動きが今週も
見られると思います。

予想レンジは、
ドル円が108.20〜114.20円、
英ポンド円が125.20〜131.20円、
英ポンド円が140.20〜146.20円、
ドル円が78.20〜84.20円。