ドルの上値メド、意識する動きも

今週の外国為替相場は、ドルの上値メドを
意識する動きが予想されます。

米中貿易問題の過激化を材料に、ドルが
売られるのではないかとの見方が
ありましたが、米国が中国に対する
厳しい対応を考えていることが
明らかになる中で、安全資産のドルを
買う動きが強まる展開となり、前週末には、
対円で112円台にドルが上昇する展開と
なりました。

もちろん、米中貿易問題が深刻化すれば、
ドルにとっては無傷ではありませんが、
米国の制裁で中国が受ける悪影響が
大きいことから、ドルが堅調に
なっているようです。

さらに、9月には米国d江利上げが
予想されていることを、米国の利上げを睨んで
新興市場国通貨が軟調になっていること、
新興市場国が通貨防衛で利上げを
余儀なくされていることなど、
以前のアジア通貨危機のような動きを
見せて、ドルが買われているという
動きもみられています。

特にアルゼンチン、トルコなどで、
その動きが顕著となっており、利上げで
通貨安が回避できそうにない現状を考えると、
新興市場国に逃避していたドルを米国に
戻すという動きの発想から、ドルが
上昇する動きを強めるのではないか
との見方も出ています。

この場合、対円で、ドルがあっさり
115円台を超えて、120円台に迫るような
水準まで買うことが出来るのか否か、
これが大きなカギになる可能性があります。

112円台に乗せたことで、次のドルの
上値メドは115.20円程度が意識されるのでは
ないか、とも思われますが、114.20円が
大きな壁になる可能性もあります。

115円台にドルが乗せれば、次は118.20円、
120円を超えるドル高が想定されることで、
そこまでの上昇は読み取れないのではないか
とも見られます。

また、日本では安倍首相が総裁選挙に絡んで、
日本の政策金利の出口千里略について
言及するなど、日銀がそうした憶測の
火消しに夢中になっている中で、市場が
期待する発言を行ったことで、金利差の
動きから円が買い戻されるきっかけになる
可能性もあります。

この中、依然としてトランプ米大統領
発言が気になります。

全世界に向けて、米国ファーストの発言を
繰り返していることで、政治的な動揺、
経済的な動揺が出ており、これがさらに
強まるのか否か、大いに注目したい
と思います。

これに対し、金融政策について一言発した
安倍首相の真意も注視したいと思います。

予想レンジは、
ドル円が108.20〜114.20円、
ユーロ円が128.20〜134.20円、
英ポンド円は142.20〜148.20円、
ドル円が76.20〜82.20円。